東京オリンピック・パラリンピックに向けたインフラ整備などで人手不足が深刻化している建設業界だが、ITを活用して生産性向上や構造改革を行おうとする動きが活発化している。通常、建設の現場では、元請負会社であるゼネコンと電機や空調など得意分野に特化したサブコンが協力して工事を進めており、大規模工事になると関わる企業の数は数百社に達する。さらに公共工事や大型施工案件などではゼネコンがJV(共同企業体)を組むことも多く、複雑さはさらに増すことになる。こうした建設業界特有のビジネス環境を踏まえて、鹿島建設は工事現場で大量の設計図や資料を共有するIT基盤を構築した。 現代の社会インフラや高層ビルなどの大規模な建築物は、どこかの建設会社が単独で請け負うことはほとんどない。多くの場合、ゼネコンやサブコン、設計事務所など多数の企業がJV(共同企業体)を構成し、協力しあうことで建築物を完成させている。その意味で
