料理が好きだ。 ひとりで夕食を食べるときはスーパーで買ってきた野菜を適当に炒めて食べている。 それがものすごくおいしい。 「自分で作ったから美味しく感じているのだ」と分かっていても、本当にうまい。「これは夢だ」と気づいているときの夢、明晰夢のようだ。 私が作る料理は見た目が悪い。 炒め物なのにべちゃべちゃしているし、できあがりの量を予想できないので皿に乗り切らない。 そもそも炒めものなのに時間がかかる。10分ぐらい炒めている。 炒め始めると全然火が通らずに「これ、できるのかな?」と思う。でも放置しておくとだんだんしんなりしてきて食べられそうな雰囲気になる。白だしと塩胡椒をかけて味見をするとものすごくおいしい。その美味しさに「やば」と毎回言う。 いつ火を止めて良いのかわからなくなって、いいやもうこれで、と思って火を止める。 料理の名前はないので「林炒め」と呼んでいる。 林炒めを作るうちに気づ

