今年の初めから出版社に勤め始め、最初は企業相手の商売をする部署にいたのですが、夏に一般書籍の部門に移りました。生まれて初めて仕事で本に囲まれる生活は、ある意味で天国のようで、しかし忌野清志郎が唄うように「いいことばかりはありゃしない♪」が本音のところでもあるのですが、こんな風に仕事が楽しいというのは二十年以上サラリーマン生活をやってきて初めてかも知れません。リサーチャーの時代にはリサーチャーならではの楽しさ、醍醐味があり、それは今思い出しても懐かしく、自分にとって素敵な時代でしたが、今の生活もそれなりに悪くはありません。もちろん「いいことばかりはありゃしない♪」ではありますけれど、よいことなんか爪の先ほどもないと思いながら仕事をしていた頃、漠然とした不安を抱え、先行きの見通しがまるでない中で、ただただ残業を重ねてがむしゃらに働く時間が少なくなかった若い頃を考えれば、「いいことばかりはありゃ