ビジネスの世界に限らず、私たちの生活では、さまざまな暗黙のルールがコミュニケーションの潤滑油として機能している。初対面の商談で「はじめまして」と言葉を交わしながら名刺を交換するとか、(たとえ大してお世話になってなくても)メールの文頭に「いつもお世話になっております」と打つとか、数え上げればキリがない。 そうした暗黙のルールが機能せず、初対面の相手に「はじめまして」と声をかけたのに、相手が目すら合わせずこちらを無視したとしたら、評者ならば二の句が告げずに呆然としてしまうに違いない。 本書の著者が、17年4カ月の教師生活を経て、初めて夜間定時制高校の教室に足を踏み入れた瞬間は、まさにそんな状況だった。 いや、状況はもっと苛酷だ。なにせ著者に向かって生徒から投げかけられた言葉が 「おい、岩本。百円やるさかい、ジュース買うて来い」 である。 さすがに、ベテラン教師の著者もパニック状態に陥る。〈教師
![生徒「百円やるさかい、ジュース買うて来い」…教師のとるべき対応は?~『教育をぶっとばせ』 岩本 茂樹著(評者:後藤 次美):日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)