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ブックマーク / active-galactic.hatenablog.com (12)

  • 天体衝突とはどのような災害か - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    図0. 地球に衝突する小惑星の想像図(直径10km) 最近、ロシアの大火球で1000人以上の負傷者が出た。直後に小惑星2012 DA14が地球をニアミスするなど天が慌ただしい。 天体衝突は小さな天体でも巨大な擾乱を引き起こす。生み出された衝撃波の威力に驚いた方も多いだろう(図1)。原子爆弾と同程度のエネルギーが解放されたが、高高度で爆発したため数十キロ圏に薄まった影響で済んでいる。 居住地に落ちることは珍しいが、今回の衝突は20年に1回くらい地球のどこかで起きている。日に限定するなら20000年に1回くらいの事象だろう。*1 図1. 爆風の強度 (上) 響き渡る衝撃波の轟音 (下) 音はないが、物を吹き飛ばして屋内に吹き込む爆風の強さがみてとれる。この風の強さから衝撃波のエネルギーを類推することが出来る。 天体衝突は流れ星から大量絶滅まで幅広いが、ハザードの規模やリスクについて大まかに触

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  • スーパーアース:文明が宇宙に満ちる前に - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    数日前、巨大地球型惑星と推測される天体の発見が学会で報告された。巨大地球型惑星(スーパーアースと呼びたいヒトがいるらしい)の報告は少しずつ増えてきており、もうすこしサンプル数が増えれば統計的な議論もしやすくなる。 惑星には木星みたいな巨大ガス惑星と、固い岩盤がむき出しになった地球型惑星の2種類が存在する。基的に半径(測定できれば)や質量や環境などからそう推測しているに過ぎないが、今回報告されたのは地球と同じように表面が海や岩盤で構成される惑星分類群だ。発見された天体の質量は、探索手法の特性に起因するものであるが、いずれも地球の数倍から数十倍程度の質量を有し、スーパーアース発見として盛んに宣伝されている。 これらのスーパーアースの中には、異論はあるにせよ、液体の水が存在でき生命の生存に適した領域であるハビタブルゾーンに存在すると推測される天体も含まれている。典型例として地球の10倍の質量、

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  • 「しりとり」の戦いかた、すこし反省した - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    「しりとり」は経験者人口が極めて多いゲームだけど、鬼神のごとき強さで他を圧倒するしりとりプレイヤーを私は知らない。ちょっと真剣に戦ってみたところで、 そんな程度のレベルで満足していやしないか。 さいしょは「る」の同字返しでガッチリ組み合う。先に「る→る」のストックが切れて、「る」で返せなくなったほうがひたすら「る攻め」で投げられ続ける。 小学生の時から進歩していないような、こんな大雑把でマンネリな「る攻め」戦略から脱却できないものか。 攻撃防御比最大の最強文字「る」 復習。周知の事実だが「る」は強い。 下の表は、[A](文字Xで終わる単語)と、[B](文字Xではじまる単語)をその比[A/B]の高いものから順にリストしたものである。標の単語数は20万語であり豚辞書から、伸ばし棒をトリムした上で抽出した。*1 文字X[A]Xで終わる単語[B]Xで始まる単語[A/B] 1位る43235208.

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  • ベテルギウスの最期:超新星の兆候とその威力 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    最近、オリオン座のベテルギウスに関して"刺激的な"タイトルのニュースが流れた。オリオン座は覚えやすく都会でも楽しめる手軽な星座だ。そのオリオンが肩を壊すかもしれないとなれば書かざるを得ない。 重い星の死 天蓋にぶら下がる星々は永遠の存在ではなく、だいたい数百万年から数兆年の寿命で移ろいゆく。ヒトの死が多様であるように、星の死にもまた個性がある。それは体重や組成、相方の有無などによって決まり、静かに冷たくなることもあれば、木っ端微塵に吹き飛ぶこともある。ベテルギウスのような重い星は、超新星と呼ばれる大爆発によって焼死する。爆発の閃光はひとつの銀河に匹敵するほどであり、ベテルギウスのような至近爆発ともなればどのような状況が生じるのか興味は尽きない。そして、爆発はどのくらい差し迫っているのだろう。 どのような超新星を起こすのか ベテルギウスは水素をたっぷり含んだ赤色超巨星なので、もし今爆発するな

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  • 1kgの鉄と1kgの鉄、どちらが重い? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    同じ質量の綿と鉄はどちらが重いか。 この問題は簡単ではない。どんな質量の綿や鉄を想定するかによって答えは違う。例えば、1000億太陽質量の鉄と綿だったら両者とも即座にブラックホールだ。両者の終状態はほとんど変わらない。ブラックホールは元の天体が持っていた個性をベリベリと引き剥がしてしまう。 では、もっと質量を減らして1億地球質量だったらどうか。 1億地球質量の綿と1億地球質量の鉄、どちらが重い? だいたい恒星質量の上限域に相当する。300太陽質量だ。 綿は自己重力で潰れていき、位置エネルギーの解放によってどんどん温度を上げる。中心部の温度は100万Kを超え水素の核融合が起こる。巨大な赤ちゃん星の誕生だ。莫大なエネルギーが発生し物質が宇宙空間に激しく流出する。ただし、綿は質量の大部分を炭素と酸素が占めており、恒星と白色矮星の中間のような組成だ。わずかな水素を使い果たすまでは延命すると予想はし

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  • 探査機「はやぶさ」と、それから - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    巷に吹き荒れた突風に触発されて「はやぶさ連鎖(凱旋版)」を作ってみる。 「隼」の文字が燃えながら蒸発していくが、保護された固ぷよは無傷のまま地上に到達みたいなコンセプトで さて、題 ここ一ヶ月ぐらい、はやぶさが作り出した巨大な風に驚いている。地球を出発前するのネット界隈を思い出すに、購読していた惑星協会のメルマガですこし宣伝されていたなあ、くらいの印象しか残ってないが、帰ってくるときにはニューヨークの戦勝凱旋パレードよろしく熱狂的な歓声につつまれている。*1 もう満点の成功とはなにかについて説明する必要はないし、工学試験衛星とならんで「探査機」という言葉を前面に押し出すことになんの不安もない。広報の面でも実証の面でも非常に成功したプロジェクトだ。今後サンプルの有無にともなう多少の非難があったとしても、それを吹きとばせるだけの流れがある。 旋風の行方 ただ、これほどの旋風が今後どういう方向

    探査機「はやぶさ」と、それから - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    memoclip
    memoclip 2010/06/21
    諍いのちの空中分解というのは絶対にやめてほしい。
  • 宇宙戦艦はなぜ白い - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    SFに出て来る純白の宇宙戦艦って、カラフル兵士なみに違和感ある。なんでそんな目立つ色なの?見つけてほしいの?的になりたいの?映像表現と大人の事情だから不問なの?そんな風に突っかかった年頃があったような気がするが、懐かしすぎて何歳のころだったかすら思い出せない。 黒い宇宙船(左)と、白い宇宙船(右):左の輪郭はイメージ。 上の画像(左)では輪郭をつけているが、黒い宇宙船は宇宙空間に完全に溶け込んでしまう。輪郭線を取り払ってしまえばただの何も無い空間だ。 作品空間でのご都合設定ならともかく、現実の延長線上としての軍用システムが迷彩を意識しないとは考えがたい。ただ黒く塗るだけでなく、レーダー波吸収構造から液体ヘリウムによる表面冷却まで、あらゆる手を使って検出を逃れようとしても不思議ではない。 でも、リアルで黒い宇宙船なんて聞かないよね 現実世界で軌道上にある宇宙船や人工衛星はことごとく真っ白だっ

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  • 太陽の光はどこまで届く? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    これからの季節、大いなる正午の直射日光は、それに照らされた鉄路の小石ですらその一つ一つをギラギラと輝かせる。 太陽、この偉大な天体の明るさはさらに一段上の形容詞が必要なほどで、「死と太陽は直視できない」とまでいわれる。うそだと思ったらほんの1分ほど太陽を見てみよう、みごとに目から光をくりぬかれることになる。 それほど激烈な光を放つ太陽ではあるが、その明るさが無限ではない以上、十分な距離をとってしまえば、ずいぶん小さく頼りないものになってしまうだろう。太陽から離れ、果てしない旅路の果て、いずれは太陽の光を肉眼ではもう認められなくなる時がやってくる。 実視6等を限界とすれば、その距離は約50光年だ。 意外と近いと思った人も多いのではないだろうか。高々50光年、宇宙の話題ではまるでご近所のように書かれるが、それは太陽クラスの光がその方角にありながら視界か失せてしまうほどの距離だ。 夜空の深さを探

    太陽の光はどこまで届く? - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
    memoclip
    memoclip 2009/07/26
    見えないだけで近くにあるかもしれない「何か」の可能性。
  • 昔は神童、二十を過ぎればただの天才について - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    3次元の結晶模型を使って、ブラックホールの内部構造を「紙と鉛筆」で解明することに成功 結晶の模型を使って、ブラックホールの量子情報を解読−IPMU大栗博司主任研究員と山崎雅人氏の研究成果がPhysical Review Lettersに掲載− YさんがGIGAZINEで取り上げられたと聞いてメモ。 何をやらせても超優秀な人っていますよね。物理も、数学も、語学も、研究も。だいぶ前に話をしたことがあるけど、何と言うかオーラのある人だった。 すこしでも物理を勉強したことがある人なら、下の文章を大学1年生が書いたことに衝撃を受けるだろう。 Seiberg-Wittenの仕事について 稿では、1994年に出されたSeiberg-Wittenの衝撃的な論文[SW94a,SW94b]を中心にして、近年非常に大きな注目を集めるようになってきたDualityのうち、S-duality(またはStrong-

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  • 東京バベルタワー:10000mの建造物 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    高度1万メートル:エベレスト/チョモランマより高く対流圏の終わるところ、気温は零下50度、大気は地上の4分の1、ジェット機が飛ぶ高さまで聳え立ち、関東一円の人口を吸収できる建造物のプロジェクトをご存知だろうか。 バブル期の黒歴史になってしまったのかもしれないけど、東京バベルタワー(Tokyo Babel Tower)に関する情報ってネット上でほとんどないよね。ゼネコンの考えたSkyCity (清水建設)やXeed4000 (大林組)大成建設の資料は残っているのに、バブルの極北たる東京バベルタワーの解説ページが皆無だとはね。あの時代の独特の空気を代表するプロジェクトがこのまま歴史の闇に葬られるのは忍びないし、ちょうど発案者が今年で退任なされるということで記念に基礎データいくつか資料を引用しておく。 プロジェクト名:東京バベルタワー 提案者:尾島俊雄 早稲田大学教授 提案:ブラジル環境サミット

    東京バベルタワー:10000mの建造物 - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
  • Firefoxで「プライバシー情報の消去」の全部にチェックしても履歴は完全には削除されない - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    っていうことを、今頃知った。みんなで使うパソコンの設定をしていた身としては、履歴やクッキー、パスワードやフォームの類を全削除にしておけば問題はなく、クリーンなブラウザを快適に使ってもらえると思ってた。 へぇ、Flashクッキーなんて楽しい手段があるんだ。マクロメディアのローカルフォルダにクッキーがばっちり残っているじゃないか。Adobe Flashにはブラウザのクッキーとは独立した個人情報保管システムがあるみたいだね。他のプラグインも独自にローカルフォルダにデータを保管していたりするのかな。ん、ニコニコ動画の前回検索タグ履歴なんてのがあるぞ。 多分、Windowsだとこの辺にあると思う。 >C:\Documents and Settings\ユーザー名\Application Data\Macromedia\Flash Player\#SharedObjects\ もちろん、これは特定のブ

    Firefoxで「プライバシー情報の消去」の全部にチェックしても履歴は完全には削除されない - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
  • C級の人が総合戦力をA級まで劇的に向上させるためには - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常

    全てのスキル向上に包括的に挑むのではなく、一時的に特定のスキルに特化して強化することで突破口になる気がする。って、いまから過度の一般化と適当な極論をいうよ。それも、ほんの30分前に思いついたレベルの。 世の中にはマッチョなスーパーハイウェイが用意されているようだけど、そこを走れるのは心肺能力が高い人か、偶々そのような道があることを髄で理解して信仰/実行した人たちだ。 普通の人がただ普通に努力していても、普通以上になるのは確率的少数者だけ。例えば勉強なんかで全科目C評価の生徒がいたとして、その人間がただ努力していればいつかオールA評価になるかというとそんなことはない。もちろん、確率的少数者はオールAになるだろうけどね。大多数は、一通り卒なくこなして 『CCCCC』->『CBCCC』->『BBCCC』->『BBCBC』 ってやっている内に、3年間が終わって受験を向かえてしまう。標準的な人間は期

    C級の人が総合戦力をA級まで劇的に向上させるためには - Active Galactic : 11次元と自然科学と拷問的日常
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