2月上旬、東京・多摩地域北部のベッドタウン、東村山市。現職の渡部尚市長は会見で、4月の統一地方選で5選を目指す意向を表明した。保守系の市議から転じ約16年間、議会多数派の「市政与党」に支えられ、盤石の市政運営をしてきた。「多選批判は承知している」とする一方、自信をにじませて言った。「経験のある私が市政を担うことが、中長期的にみて、市や市民にとってプラスだ」
「近くの公園は、注意書きの看板だらけで入るのに躊躇(ちゅうちょ)する。これで楽しく遊べるのだろうか」。東京都練馬区の飯沢(いいざわ)文夫さん(73)から、本紙の「ニュースあなた発」に情報が寄せられた。この公園では、1枚もなかった禁止看板が、開園から6年で24枚にまで増えていた。なぜ禁止だらけの公園になってしまったのか。(青木孝行)
二〇一九年の川崎市議選に落選した男性が在日コリアン集住地区を巡る自らの発言を批判する神奈川新聞記事などで名誉が損なわれたとして、石橋学記者(52)に計約二百八十万円の損害賠償を求めた二つの裁判があり、横浜地裁川崎支部(山口均裁判長)は三十一日の判決で、男性の街頭演説中に石橋記者が指摘した発言の一部に名誉毀損(きそん)を認め、十五万円の支払いを命じた。記事をめぐる請求はいずれも棄却した。 原告の男性は幸区の佐久間吾一氏(56)。判決などによると、佐久間氏は一九年二月の集会で川崎区池上町について「旧日本鋼管の土地をコリア系が占拠」「共産革命の拠点」などと発言。記事は「悪意に満ちたデマによる敵視と誹謗(ひぼう)中傷」と断じた。判決は、記事は公益目的であり重要な部分について「真実」として請求を退けた。
岸田政権が昨年末に閣議決定した国家安全保障戦略など安保関連3文書改定を巡り、本紙が防衛省内の検討会議の資料を情報公開請求したところ、議事録などはほぼ黒塗りで開示された。専守防衛を形骸化させる安保政策の大転換となった敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や防衛費の倍増を決めた検討過程は不透明なままだ。識者は「国民の議論を呼ぶ政策決定で、政府に説明責任がある」として、判断の妥当性を検証できるように可能な限り議論の内容を公開するよう求める。(川田篤志)
旧統一教会の問題を巡り、宗教法人法による解散命令が取り沙汰されている。過去に命令を受けた法人は二つ。オウム真理教と、詐欺事件で問題になった明覚寺だ。その明覚寺の関連施設が茨城県大子町にあると聞き、訪ねてみた。人里離れた山の中で出合ったのは−。(加藤裕治) 二車線あった山道は、カーブを曲がるたびに細くなり、ついに車一台でぎりぎりの幅になった。もうここまで。山頂にあったツツジ園の駐車場に車を止め、落ち葉が覆う道を徒歩で上ったり下ったりすること十五分。屋根が落ち、鉄骨がむき出しになった建物の横に立った。荒れ果てた様子に「破(や)れ寺」という言葉が頭に浮かんだ。 ここが本覚寺。「取り付いた霊を供養しなければ」と不安をあおり、巨額の金を集めた「霊視商法」の舞台になった寺院だ。返還を求める訴訟が相次ぐと、寺の関係者らは和歌山県の明覚寺を買収して同様の活動を続けた。その後、詐欺の刑事事件に発展し、二〇〇
東京都多摩地域における井戸水の有機フッ素化合物(PFAS)汚染は、長期間にわたって広範囲で続いてきた可能性が出てきた。水道水に使われる水は、人々の健康や生命の安全に直結するはずだが、市民団体の再三の指摘にも都の動きは鈍い。背景には、国内ではPFASの明確な健康基準が定められていないことや、汚染源の可能性がある米軍基地への立ち入り調査が難しいことがある。(松島京太) 有機フッ素化合物 PFOSやPFOAなど多数あり、総称はPFAS(ピーファス)。水や油をはじく性質があり、泡消火剤や塗料、フライパンのコーティングなどに幅広く使われてきた。環境中でほとんど分解されず、人や動物の体内に蓄積されやすい。がんや心疾患による死亡リスク上昇との関連や、出生体重が減少する恐れが指摘され、近年、国際的に使用の禁止や規制が進む。日本の水道水などの暫定目標値はPFOSとPFOAの合計が1リットル当たり50ナノグラ
5年に1度、農林水産省が実施する国の基幹統計「農林業センサス」の一部で、60年以上の歴史がある「農業集落調査」の存廃がいま、議論になっている。次回2025年について、農水省が「実施が困難」だとして廃止の方針を示したところ、研究者らが猛反発。継続を求める署名は1000人を超えた。一方で、基幹統計は、相次ぐ不正で信頼性が低下。統計にかかわる職員の減少も進む。国の政策立案を支える重要統計は、大きな変革を迫られている。(特別報道部・山田祐一郎)
われわれが繰り返し聞かされてきた、南海トラフ地震の30年以内の発生確率が「70〜80%」という国の予測(80%予測)。それがどう計算されたのかはほとんど知られていない。その確率の根拠が江戸時代に港を管理していた役人の一族に伝わる古文書だと、知り私は驚いた。 南海トラフ地震 静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去1400年の歴史上、100〜200年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は2012年、最悪の場合、死者が約32万人に上ると想定。地震調査委員会は13年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が30年以内に起きる確率は60〜70%と発表。18年には年数の経過により70〜80%と引き上げられた。
埼玉県所沢市の藤本正人市長(60)は30日、昨年8月に開かれた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体のイベントに出席し、あいさつをしたと明らかにした。「旧統一教会系の団体と知っていた」といい、自身の選挙での応援は「一切ない」とした。市の定例会見で質問に答えた。 イベントは旧統一教会の関連団体が主催した「ピースロード2021」。所沢市境に近い多摩湖畔で開かれたサイクリングの出発式で「平和を願って頑張ってください」との趣旨であいさつしたという。参加者は40人ほどで、その場には地元選出ではない自民党県議もいたという。 「イベントには信者の知人から誘われ、その後、招待された」といい、旧統一教会に対する認識は「昔は問題があったが、その後は(霊感商法などの)情報が出なくなったので改善していると思っていた。反省はそんなにしていません」と述べた。今後の関わりについては「私の性格上、もう行かないとは言
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