2009年1月25日のブックマーク (4件)

  • 新聞・テレビの没落 - 池田信夫 blog

    あす発売の週刊東洋経済の特集は「テレビ・新聞 陥落!」。私も「新聞・テレビ没落で始まるローコスト・メディアの時代」という4ページの原稿を書いた。似たような話を、先週のASCII.jpにも書いた。 私が1993年にNHKをやめたのは、まもなく地上波テレビは没落するだろうと思ったからだが、テレビ局は意外にしぶとく、政治家を使って電波利権を守り、数千億円の補助金を政府から引き出して延命してきた。しかし、ようやく悪運もつきたようだ。在京キー局(日テレ・テレ東)が昨年の中間決算で初めて赤字になり、3月決算では全キー局が赤字になる可能性もある。 東洋経済の特集で氏家斉一郎氏(日テレ議長)もいうように、これは不況による一時的な落ち込みではなく、マス媒体による広告という手法の効果が落ちたためなので、回復は見込めない。2011年をピークとしてテレビ(アナログ・デジタル計)の台数は減少に転じ、テレビ・新聞

  • 周波数オークションについての誤解 - 池田信夫 blog

    アメリカの700MHz帯の周波数オークションが締め切られた。何といっても注目されるのは、グーグルが応札したことだ。資金力から考えて、彼らが落札することは確実だが、グーグルがこの帯域で何をしようとしているかは謎だ。FCCに対して「非伝統的な電波利用」も認めろと求めていることからみると、たとえば落札した帯域を免許不要で開放し、Androidを使っていればどんな端末でもOK、といった奇抜なことを考えているのではないか。 周波数オークションは、一昔前の垂直統合型の携帯電話の時代の制度なので、グーグルが提案しているように、端末のオープン化やMVNOによってサービスとインフラを水平分離することは、重要な制度改革である。それに対応したFCCの柔軟性も、立派なものだ。これに比べて、日では今度、2.5GHz帯で初めて美人コンテストが行なわれるというトホホな状況だが、昔の政治家による「一化」よりは一歩前

  • [高校生の経済学] サンクコスト - 池田信夫 blog

    J-CASTニュースによれば、周波数オークションについて「総務省の課長補佐」が次のようにコメントしたそうだ:電波は公共財なので、普通の商品とは違います。どんな事業者でもいいわけではありません。オークションには、デメリットがあり、コストが当然料金に転嫁されることになります。事業者が投資分を回収できず倒産すれば、その電波が無駄になってしまう恐れもあります。このコメントは論理的に矛盾している。免許のコストを通話料金に転嫁できるのなら、事業者が「投資分を回収できない」ということはありえない。欧州で携帯事業者の経営が破綻したことは事実だが、それは免許料を料金に転嫁できなかったからなのだ。当ブログで何度も説明したように、免許費用はサンクコストなので、それを転嫁することは合理的ではなく、不可能だ。同じことを何度も書くのは面倒なので、前の記事を再掲しよう:オークションで払う免許料は、マンション業者の買う土

  • 現代帝国論―人類史の中のグローバリゼーション - 池田信夫 blog

    現在が「歴史的転換期」だという話は、いつも語られてきた。そういうときよく引用されるのがウォーラーステインだ。彼の歴史理論は、ここ500年ぐらいの世界史を包括的に展望する荒っぽいものなので、なんとでも解釈できるのが取り柄だが、逆にいうとほとんど実証的に検証可能な命題が導けない。書はウォーラーステインとネグリ=ハートを中心として、いろいろな世界史理論を雑然と並べたものだが、一種のサーベイとしては役に立つ。 ウォーラーステインの理論の元祖は、1970年代にフランスで、エマニュエル、アミン、フランクなどによって提唱された従属理論である。エマニュエルの理論は、グローバル資主義を不等価交換を作り出すシステムとして数学的に定式化し、国際経済学に影響を与えた。そしてフランクがウォーラーステインを「ヨーロッパ中心主義」だと批判したのが『リオリエント』で、書の議論も両者の比較が軸になっている。 ウォ