国際移住機関（ＩＯＭ）は１３日、中東や北アフリカなどから地中海を渡って欧州入りを目指す難民や移民の総数が今年に入ってから計８０万人を超えた、と発表した。 ＩＯＭによると、イタリアに１４万１７７７人、ギリシャに６６万６５０２人、スペインに３８４５人、マルタに１０６人で計８１万２２３０人。シリアからはギリシャに２７万７８９９人、イタリアに７２３２人が流入している。死者と行方不明者は３４９９人に達している。（松尾一郎）

菅義偉官房長官 （米政府が「ジハーディ・ジョン」と呼ばれる過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）の戦闘員を空爆したと発表したことについて）米国務省の発表で、シリアにおいてこの人物を空爆し、現在、空爆の結果は評価中とのことだ。追加的な情報は適切な時に提供するということなので、日本政府として動向を注視していく。いずれにしろ後藤健二さん、湯川遥菜（はるな）さんが（ＩＳに）殺害された事件の解明に向け、警察において捜査が行われている段階。米側に事実関係をさらに確認していく。（１３日、定例記者会見で）

防衛省が１２日、中国海軍の情報収集艦が尖閣諸島の近海で反復航行する「特異な動き」を行ったと発表したことについて、中国国防省は１３日、朝日新聞の取材に対し、「完全に国際法に合致しており、非難されることではない」と述べた。航行の目的については明らかにしなかった。（北京＝倉重奈苗）

バングラデシュ北部で１０月に邦人男性が殺害された事件で、地元警察当局は１３日までに、事件に関与した疑いがあるとしてラジブ・スモン容疑者（２８）ら３人を拘束した。ＡＦＰ通信などが伝えた。 この事件では、過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）のバングラデシュ支部を名乗る犯行声明が出ていた。ただ、ハシナ首相らはＩＳの関与を否定し、最大野党のバングラデシュ民族主義党（ＢＮＰ）などが背後にいるとの見方を示している。地元報道では、３人は武器不法所持の容疑で拘束され、うち２人はＢＮＰ支持者だという。

自民党が東京裁判などを議論する新組織を発足させることについて韓国外交省は１３日、「歴史の真実を歪曲（わいきょく）する方向に悪用されれば、国際社会からのさらに大きな反発に直面することになるだろう」とするコメントを出し、当面は動向を注視する姿勢を示した。 自民党の新組織については韓国メディアも大きく取り上げた。朝鮮日報は１面トップと２面で展開し、自民党が東京裁判を検証する場合、「韓国、中国のような被害国はもちろん、戦勝国である米国でも反発する声が出てくるとみられる」と報じた。東亜日報は「『戦後秩序』揺るがす日本…安倍直属の歴史検証機構、今月新設」との見出しで伝えた。（ソウル＝東岡徹）

ミャンマーの総選挙で、民主化運動を続けてきたアウンサンスーチー氏率いる野党・国民民主連盟（ＮＬＤ）が１３日、国会（定数６６４）の過半数を制した。選挙管理委員会の発表で同日までに確定した４６８議席のうち、３７８議席を確保した。軍政の流れをくむ現政権からの政権交代が確定した。 ８日に投開票された総選挙では、選挙によらない２５％の軍人枠（定数１６６）を除く民選枠（同４９８）が小選挙区制で争われた。うち７選挙区で選挙が中止になり、実質的な過半数は３２９議席だった。ＮＬＤの議席はさらに積み上がる見通しだ。 テインセイン大統領が党首で軍事政権がつくった与党・連邦団結発展党（ＵＳＤＰ）は改選前（９月時点）に民選枠のうち３２９議席を占めていたが、４０議席にとどまっている。 選挙結果に基づく新国会は、現職の任期が切れる来年１月末に招集予定。全国会議員の投票による新大統領選出の手続きに入り、ＮＬＤが擁立する候

米軍は１２日、過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）の戦闘員で「ジハーディ（聖戦主義者）・ジョン」と呼ばれた男を標的にした空爆を、ＩＳが首都と称するシリアのラッカで実施した。米国防総省当局者が明らかにした。日本人人質だった後藤健二さん、湯川遥菜さんらの殺害映像に覆面姿で登場していた。空爆の成果を精査中という。 同省当局者によれば、「ジハーディ・ジョン」は本名「ムハンマド・エムワジ」。米国人や英国人人質の殺害映像にも黒ずくめの姿で現れ、英国なまりの英語で声明を発表。左手でナイフを持って殺害する映像が流された。ワシントン・ポスト紙（電子版）によると、作戦は無人機による攻撃だったという。（ワシントン＝奥寺淳）

米ホワイトハウスは１２日、オバマ米大統領と安倍晋三首相が１９日に訪問先のマニラで首脳会談を行うと発表した。ワシントンで会見したライス大統領補佐官（国家安全保障担当）らによると、南シナ海などでの安全保障協力や環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）の今後などについて話し合うという。 オバマ氏は１４日に米国を出発し、主要２０カ国・地域首脳会議（Ｇ２０）が開かれるトルコ、アジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）があるマニラ、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）関連首脳会議が行われるクアラルンプールを歴訪する。一連の会議の合間にオバマ氏はトルコ、カナダ、豪州、フィリピン、マレーシア、ラオスの首脳とも会談。ライス氏は「（アジアへの訪問では）海洋の安全保障やサイバー、人権問題を話し合い、法に基づいた秩序を守るため米国の政治・安全保障面での指導力を示す」と語った。 またライス氏は、オバマ氏とロシアのプーチン大統領の公式会

レバノンの首都ベイルート南部で１２日、連続して爆発があり、レバノン保健省によると４３人が死亡、２４０人が負傷した。ＡＰ通信などが報じた。現場はイスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点とする地区。ヒズボラを敵視する過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）が犯行声明を出した。 ヒズボラはシリアのアサド政権を支援し、シリアに戦闘員を送っている。ＩＳはアサド政権と戦闘を続けており、犯行声明が事実ならヒズボラに対する報復テロの可能性がある。 爆発は商業地区の通りで２件連続して起きた。ＩＳは、バイクに爆発物を仕掛けた戦闘員が自爆したとしている。現場近くでは自爆ベルトをしていた３人目の男が他の戦闘員の爆破で死亡したという。（カイロ＝翁長忠雄）

フィンランド政府は１２日、国内の原子力発電所から出た放射性廃棄物の最終処分場の建設を許可した。同政府によると、最終処分場に建設許可を与えるのは世界で初めて。来年末に着工し、２０２３年に稼働を始める予定という。 運営主体のポシバ社に対し、原発がある同国西部のオルキルオト島で、使用済みの燃料を容器に詰める工場と、最終処分施設の建設許可を与えた。地下４００～４５０メートルの深さにあるトンネルに、容器に詰めた使用済み燃料を埋めていく。最大で６５００トンのウランを処分できるという。 建設予定地にはすでにトンネル… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。

米軍のＢ５２戦略爆撃機が今週、南シナ海で中国が埋め立てた人工島近くを飛行し、中国が人工島から警告を発していたことが１２日わかった。米国防総省当局者が明かした。 中国が領有権を主張する人工島から１２カイリ（約２２キロ）内には入らなかった。国際空域を飛行していたにもかかわらず、中国が米軍機を追い払う対応を取っている実態が浮き彫りとなった。 同省当局者によると、南シナ海を飛行したのは、核兵器も搭載できるグアム基地所属のＢ５２。８日から９日にかけて２機が、通常の巡回任務として南沙（スプラトリー）諸島近くの国際空域を飛行した。 これに対し、「中国の（人工島… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。

欧州連合（ＥＵ）の行政機関にあたる欧州委員会のユンケル委員長は１２日、加盟国で分担することが決まった計１６万人の難民受け入れについて、実際に受け入れられたのは１３０人にとどまることを明らかにした。受け入れは２年間で実行されることになっているが、ユンケル氏は「このペースでは２１０１年までかかる」と苦言を呈した。 ユンケル氏は難民、移民問題をめぐるアフリカ諸国との合同首脳会議が開かれたマルタの首都バレッタで語った。 ＥＵでは従来、難民審査は最初に入国した国が責任を持つことになっていたが、難民上陸が集中するギリシャやイタリアが対応できずに混乱。７月に４万人、９月に１２万人の受け入れを各加盟国に割り当てることを決めた。ＥＵの難民危機対応の根幹で、受け入れの遅れにユンケル氏は「全く満足できない」といら立ちを隠さなかった。 ＥＵは、今月中にギリシャやイタリアで登録センターを本格稼働させることになってい

台湾の馬英九（マーインチウ）総統が７日の中台首脳会談で「中華民国」に言及した際、中国の習近平（シーチンピン）国家主席は動じた様子を見せなかった――。馬氏が１１日夜の台湾のテレビ局ＴＶＢＳの単独インタビューで明らかにした。 中国共産党は１９４９年に中国大陸で「中華人民共和国」を建国したが、台湾では中国から逃れた当時の国民党政権「中華民国」による統治が続く。自らを唯一の正統政府とする中国は中華民国の存在を認めておらず、言及はタブーとされていた。馬氏は会談で、中国大陸と台湾がともに「中国」に属するという「一つの中国」原則に関連し、「中華民国憲法」に触れる形で取り上げた。 また、会談は国家主席や総統と… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお

北朝鮮関係筋は１２日、北朝鮮の金正恩（キムジョンウン）第１書記の側近、崔竜海（チェリョンヘ）朝鮮労働党書記が地方の協同農場に送られたとの見方を示した。最近完工した発電所の故障で責任を問われたことなどが背景にあるとみられる。 崔氏の去就について、韓国政府関係者は思想教育を受けているとみており、この北朝鮮関係筋も同じ見方だ。崔氏は１１日にあった李乙雪元帥の国葬への参加が確認されず、党書記を解職された可能性がある。崔氏は９月、北京で抗日戦勝７０周年記念式典に出席しており、中朝関係がさらに冷え込むとの見方も出ている。 この北朝鮮関係筋は崔氏失脚の理由について「勤労団体担当書記であり、傘下の青年団体業務の不振ではないか」と語った。韓国の専門家は１１日、正恩氏が出席して１０月に完成式を行った白頭山英雄青年発電所が故障した責任を問われた可能性があるとの見方を示していた。 北朝鮮の発電所は、燃料不足や…

ロッテホールディングス（ＨＤ）の「お家騒動」で、副会長を１月に解任された創業者の長男、重光宏之氏（６１）が１２日、同社の佃孝之社長（７２）を相手取り、損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。宏之氏が都内で会見して明らかにした。 宏之氏が日本で会見したのは初めて。宏之氏によると、佃氏が昨年、創業者の重光武雄氏（９３）に対し、宏之氏が独断で新事業を進めて損失を出したなどと虚偽の報告をし、それを信じた武雄氏が宏之氏を解任したという。その後、次男の重光昭夫副会長や佃社長ら現経営陣が、武雄氏についても代表取締役会長を解任し、排除したと主張した。 宏之氏は「今回の提訴は、ロッテをあるべき姿に戻す第一歩だ」と述べ、経営への復帰に意欲を示した。１０月には武雄氏がロッテＨＤを相手取り、会長職解任は無効だとして東京地裁に提訴している。 ロッテＨＤ広報は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。