『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマは、ロケーション・インテリア・衣装・音楽・カメラワーク・・・どの要素をとっても、徹底してオシャレな質感に包まれている。画面だけ見れば、さながらトレンディードラマのようなリッチさであるのだけど、描かれているのは、シャワーヘッドに頭をぶつけてしまう、うどんの丼にイヤフォンを落とす、ソファーにカフェオレを零してしまう、些細な誤解でパトカー連行されてしまう・・・といったように実に卑小な人間の営みだ。これまでの坂元裕二作品の登場人物と同様に、”社会の理“のようなものからはみ出してしまう人々の魂は健在のようだ。今話の主役である中村慎森(岡田将生)の理屈っぽく捻くれて、憎まれ口ばかり叩くそのありようは、まさに坂元裕二の描いてきたキャラクターの典型と言えよう。特に、携帯で動物の画像を眺める所作などからも、『最高の離婚』(2013)の主人公である濱崎光夫(瑛太)の魂の
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