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  • 『かんさい絵ことば辞典』ニシワキタダシ/コラム・早川卓馬(ピエ・ブックス) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 京都から東京へ移ったばかりのころ、街中で耳に入ってくるのが関西弁でないのが、なんとも居心地わるかった。 関東に生まれ育った私は関西弁を話せないが、十何年の関西暮らしで耳は完全に関西仕様になっていたのだ。たまに帰省したとき、母親の関東弁がキツくきこえて、ふつうに話しているのに、怒られているような気がするほどであった。最初は関西弁のほうがキツく感じられていたのに、関西弁にすっかり慣れてしまったのだ。 そのため、自分のしゃべりはさておき、電車の中やお店などで、周囲から聞こえてくる標準語のイントネーションにいちいち「あれれ!?」となってしまう。さすがにもう、標準語の耳に切り替わったが、たまたま関西の人の割合が多いあつまりのなかで話をしていたとき、自分がすごくリラックスしていることに気づいて、関西弁のちからを感じた。 あまり耳にすることのなくなった関西弁への懐かしさも手伝って手

    『かんさい絵ことば辞典』ニシワキタダシ/コラム・早川卓馬(ピエ・ブックス) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    mesomeso
    mesomeso 2011/12/28
  • 『〈わたし〉を生きる――女たちの肖像』島崎今日子(紀伊國屋書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「損得の彼岸の輝き」 津村記久子(小説家) 以前は、大人になればもうちょっと楽に息ができるようになるだろうと思っていた。それは二十代で働くようになって、少しの金銭的な自由を得たことによって叶えられたかのように見えたのだけれど、それからまた年をって、どんなふうに生きればいいのかがまたわからなくなってきている。 筆者は三十三歳なのだが、単なる学生時代からの友達というだけの集まりの中にも、独身、既婚、子持ちの専業主婦など、様々な立場の女の人たちがいる。彼女たちと話をすると、それぞれに悪くてそれぞれに良く、とにかく正解がないということが正解、と思えてくる。自分と同じように独身の女の人であっても、映画音楽とスポーツ番組にしか興味のないわたしを揶揄(やゆ)したりもする。主婦は、たくさん働いてえらいなあと言ってくれる。一緒に遊び回るなら、既婚でまだ子供のいない友人がいちばん気楽

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  • 『ザ・ママの研究』信田さよ子(理論社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 先日観た映画〈ブラック・スワン〉は、「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナが、そのプレッシャーに絶えかねて破滅してゆくさまを描いたスリラー。世代交代の波に押しやられた前・プリマの絶望、配役をめぐってのバレエ団員同士の争いなど、女たちの嫉妬が渦巻くなか、ヒロインはしだいに追い詰められ自分を見失ってゆくが、彼女がなにより怖れ苦しんでいるのは、母親の猛烈な干渉だ。 自身もかつては踊り子で、妊娠を機にそのキャリアから降りた母。女ひとりで娘をバレリーナに育て上げ、レッスンを全面的にサポートし、うるさいくらいに世話をやき、その実、娘が一人前になって成功することに我慢がならない。 真面目で練習熱心な娘は、踊りのテクニックは正確そのものだが、純粋可憐なホワイト・スワンはともかく、悪の化身である妖艶なブラック・スワンを演じるには表現力が追いつかない。仕方あるまい、彼女は母親の言うなり

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  • 『鉄道と日本軍』竹内正浩(ちくま新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「鉄道は国家なり」 学問上の恩師とも言うべき人にこう言われたことがある。「社会(科)学を学ぶものは、一度は軍隊と戦史について学んでおくべきだ。なぜなら、軍隊は合理的な近代組織の一つの典型であり、戦史はその実地における活動記録に当るものだからだ」と。その方は、かの小室直樹氏からそう言われたのだという。 しかしながら今日の日社会では、軍隊や戦史に詳しい者といえば、「ごく一部のミリタリーマニアのことだろう」といったイメージしかもたれないかもしれない。希有な例外として、東京工業大学の橋爪大三郎氏が「軍事社会学」の講義をされているという話を聞いたことがあるが、そのシラバスにも「おそらく日で唯一の講義」と記されていた記憶がある(橋爪氏も小室門下のお一人だ)。 だからこそ、この社会では、組織が非合理的な方向に突っ走ったおかしな失敗が、いまだに後を絶たないのではないか、といったら

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  • 『ブスがなくなる日―「見た目格差」社会の女と男』山本 桂子(主婦の友社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「驚くほどわかりやすい「ブス論」」 あまりに、ひねりがない書評のタイトルをつけてしまった。だが、それほどに書の記述は明確で、その主張は分かりやすい。 ブスとは一体何か。 「常識」にしたがうならば、物理的に顔の造作の美しくない女性をブスと呼び、美しい女性を美人と呼ぶものと考えられる。そして男性ならば、前者がブ男、後者がハンサムないしイケメンと呼ぶのだと。 だが、こうした発想を著者は覆していく。むしろ、メイクの進化によって、こうしたブスは、絶滅しかかっているとすら言うのだ。このことが著作のタイトルにも表れている。 実は、評者も長年のフィールドワークの中で、うすうすと同じような変化を感じていた。しかし、思いつきにすぎないような概念を温め続けるだけだったのだが、書に出会って、そうした思いつきがこれほどに明瞭に言語化されていることを知り、思わず、読書中の電車内で「これだ!」

    『ブスがなくなる日―「見た目格差」社会の女と男』山本 桂子(主婦の友社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    mesomeso
    mesomeso 2011/06/07
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