「お前ならできる!・・・いいかシモン、自分を信じるな!俺を信じろ!お前を信じる俺を信じろ!!」 「お前が迷ったら俺が必ず殴りに来る。だから安心しろ、お前の傍には俺がいる。お前を信じろ!俺が信じるお前を信じろ!」 「いいか、シモン…忘れんな。お前を信じろ!俺が信じるお前でも無い、お前が信じる俺でも無い、お前が信じる…お前を信じろ!!」 「ゼロ・ハチ・ゼロ・ナナ」という小説を読んだ。 この中に登場するチエミという人物の自己承認のあり方が興味深かった。 彼女は自分で自分を承認することはできない。それでいて、彼女が「すごいと思っている人間の親友であること」「すごいと思っている人に羨ましいと言われたこと」という形で、自分をひとかどの人間であるとみなしている。自分を承認している。 (実際は「親友である」ではなくて「親友であった。承認されていた」であり、そのすごいと思っている人は、今となってはどう思って