アパグループというホテルチェーンが「真の近現代史観」という標題で募集した懸賞論文で、田母神俊雄・前航空幕僚長の「日本は侵略国家であったのか」という「論文」が最優秀賞に選ばれた。この「論文」の結論は、日本は侵略国家ではなかったという点にあるのだが、その論拠はきわめて杜撰で批判にも値しないものである。このような「論文」が最優秀賞に選ばれたことは、政治的な作為によるものと感じないわけにはいかない。さらに、このような「論文」の著者が航空幕僚長という地位にあり、その下で自衛隊の幹部教育が行われ、それに桜井よし子氏や「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが講師を務めていたことも明かになっており、その影響力は無視できないものがある。この懸賞論文に多数の自衛隊員を応募させたことも、このような教育の一環と見てよい。 この問題が大きく報道されると、田母神説を支持する意見が自衛隊以外にも意外に多くみられ、ヤ
What kind of special features did “the Japanese Colonial Empire” have in the general history of modern colonial empires? In recent years,we can find new developments in the research of the history of modern empires and the history of Japanese empire. However, the trend has not yet resulted in the stage of discussing special features from a comparative-historical view, relating to the “Japanes
なんか、ずっと気になっているので、簡単に書いておきたい。ちょっとまえに、広島で行なわれた某国際会議で、戦争について議論していたときに、あるアラブ系の国から来た学者が、「広島はほんとうに特別なのか?」と発言した。「広島では数多くの人々が死んだというが、ドレスデン空襲で、その他の都市で、同じかそれ以上の人々が死んだ。広島のことを特別視する傾向があるが、どこが特別なのか」と。その後、会合はちょっと荒れたが、しかしこの問いへの正面からの答えはなかった。私の頭には、被爆後遺症の問題、環境汚染の問題、核戦争への扉を開いたという問題、などが浮かんだが、しかし前2者は他の空爆その他の被害者についても言えることだろうし、最後のものは、象徴的な問題に過ぎないようにも思える(最初の核爆弾攻撃と、最初の空爆と、どっちが特別なのか。一瞬で、と、一晩でと、どっちが特別なのか)。被爆による遺伝子へのダメージが子孫に引き
新幹線の「地震感知自動停止システム」の話をどこかで読んだのだが、直下型だとP波とS波の時間差がないので、意味がないってのは新幹線開通当時から変わっていないそうだ。うわー。それよりも、今回の脱線で横転しなかったのは列車が側溝にはまってそのまま直進したからなのだそうだ。ということは、側溝をしっかり掘れ、ということだよな。外れても直進するようにすればいい。 歴史に対して価値判断を避けるか避けないか、という論点がある。歴史学者にはそりゃそう、価値判断抜きに完全なる事実を記述してほしい。それが不可能なことはわかっているが、正確を期して欲しい。南京大虐殺はそもそもあったのか、なかったのか、被害者は3万人だったのか、30万人だったのか、あるいは300万人だったのか。私情を挟まず、歴史学者自身の文化的背景を滅却し、公平に判断して欲しい。私情を挟むのは司馬遼太郎のような”歴史家”にまかせればいい。 しかし、
下関市教育長・嶋倉剛「朝鮮への植民地支配は歴史的事実に反する」 - Transnational History のコメ欄で「植民地支配ではない」という意見が吹き上がってまいりました。1日に3つも4つも長文コメされても自分はブログで活発に議論するほど時間に余裕があるわけではありませんので対応できません。で、自分と反対の意見だけでエントリのコメ欄が埋められていくのはやなんで以降すべての意見はこちらのコメ欄にするようにお願いします。はい、ではid:tsuki6pとid:winterseaのお二人が「植民地支配ではない」ということを論理的に立証してくれるそうです。 tsuki6p 2008/07/02 11:12 植民地の名前に拘って過去の文書に有ったなどと喜んでいますが、そもそも植民地支配とは具体的にどんな行為なのですかの規定が曖昧ですよね。辞書を持ち出して云々なんてナンセンスです。そんなに拘る
*最近、この読書ノートの改訂版を、拙著『《20世紀史》を考える』勁草書房、二〇〇四年、に第一一章、一二章として収録した。しかし、元のノートと改訂版の間には若干の異同があるので、このノートは元のままの形でここに残しておくこととした(二〇〇四年五月)。 いうまでもなく歴史研究入門の古典中の古典である(1)。私は若い時期にそれほど大量の古典を読まなかった人間だが、本書については、大学入学後まもない時期に読んだ。正確な時期や印象などについては記憶がおぼろになっているが、およそ一九六〇年代末のことであり、本書が元来刊行されてから数年後ということになる。それ以来、何度となく折りに触れて読み返したが、特に全体を精読したのは一九八〇年代末頃(これも正確な時期については記憶が曖昧になっている)と今回(二〇〇〇年)とである。およそ二〇年ぐらいおきにきちんとした再読に取り組んだということになる。 一九六〇年代に
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1940年(昭和15 )2月2日、衆議院で民政党・斉藤隆夫議員がいわゆる「反軍演説」を行いました。日中戦争(支那事変)が始まって2年半あまりたったときのことです。 この「反軍演説」と斉藤隆夫議員についてよく見られる解説としては、 「この演説は軍などの強い反発を招き、議員除名処分を受けた。しかし1942年(昭和17)の総選挙では、軍部を始めとする権力側からの激しい選挙妨害を受けながらも、国民から高い支持を受けて翼賛選挙の中、再選を果たす」 というものでしょう。 また、斉藤議員は満洲事変後の軍部の政治介入を批判した「粛軍演説」(1936年(昭和11))を行ったことでも知られており、「日中戦争下であっても国会で堂々と軍部批判演説を行った人物」として評価する声がでてくるのも当然かも知れません。 (右下写真は、反軍演説中の斎藤隆夫) しかし、「反軍演説」という表現が適切なのか、あるいは「反軍演説」と
卑弥呼は正解99% 歴史の人物、業績は?小6など調査(1/2ページ)2008年6月28日0時28分印刷ソーシャルブックマーク 写真は上から、卑弥呼、ザビエル、ペリー、大隈重信、木戸孝允、大久保利通 日本の歴史上の人物はどんな業績を残したか。小学校6年生では卑弥呼や外国人の正答率が9割を超えた一方、幕末〜明治に活躍した政治家は軒並み5割以下だったことが、国立教育政策研究所が27日公表した調査結果で分かった。研究所は「近現代史では登場人物が増え、特徴的なエピソードを教えるのが難しくなる。特に明治以降は工夫が必要だ」と分析している。 この調査は社会科の理解度を調べるのが目的で、07年1〜2月、全国の小6生6665人と中3生9394人を対象に実施された。 小学校の学習指導要領に明記された42人の業績を示し、どの人物なのかを選ばせる問題では、「邪馬台国の女王になった」卑弥呼が正答率トップ。以下、「キ
近年、労働者派遣システムの周辺が法政策の大きな問題となっている。しかしながら、特にマスコミ報道や政治家の認識は、偽装請負がケシカランとか、日雇い派遣を禁止すべきだといった、いささか近視眼的リーガリズムに偏している嫌いがある。これらがいわゆる就職氷河期世代の就業形態としてワーキングプアの一形態となっているのは確かだが、請負をやめて派遣に切り替え、日雇い派遣を直用の日雇いにすれば、ワーキングプアがなくなるわけではなかろう。対処すべき社会学的問題と法制度論を実証的論理なしに安易につなげると、大山鳴動して・・・ということになりかねない(これは、企業がワーキングプアという社会学的問題に対処すべき責任が重大であるということとは別問題である)。 一方、労働者派遣法の法政策については、これまで規制緩和が一方的に推し進められてきたが、社会の雰囲気の変化もあって、規制強化論がかなり強まってきている。このこと自
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