大分県の教員採用を巡る汚職事件で、わいろの見返りに採用試験で得点をかさ上げされて合格した現職教員について、同県教委は不正が確認でき次第、合格を取り消す方針を固めた。 ただ、採用試験の解答用紙は廃棄され、パソコンや資料も警察に押収されているため、贈賄側の子女以外の対象者を独自に突き止めることができないのが現状。合格圏内に入りながら不合格となった受験者も特定不能で、いつどのような救済措置を打ち出すのか、同県教委は難しい判断を迫られている。 事件の舞台になったのは、収賄側の同県教委の義務教育課参事・江藤勝由被告(52)が統括していた2007年度と08年度の小学校教員採用試験。 同県警の発表では、江藤被告は08年度の試験で、贈賄側の佐伯市立小校長の浅利幾美被告(52)の長男と長女が合格するよう便宜を図った疑いで逮捕・起訴され、07年度でも、贈賄側の県教委参事の矢野哲郎被告(52)と妻で同市立小教頭