不確実な時代をクネクネ蛇行しながら道を切りひらく非線形型ブログ。人間の思考の形の変遷を探求することをライフワークに。 この本は「すごい」と思わせられる本にはたまに出会います。 最近だと高山宏さんの『表象の芸術工学』がそうでしたし、松岡正剛さんの『山水思想』、『空海の夢』がそうでした。 そして、この本、田中優子さんの『江戸の想像力』もそんな一冊でした。田中優子さんの本はすでに『江戸はネットワーク』を紹介していますが、あちらは様々なメディアに書かれたものを集めた雑多な小篇集という印象なのに対し、こちらは書き下ろしで18世紀という時代のメディアとそれを生み出した人々や時代の流れを見事にまとめてくれているので読みごたえもあるし、近代直前の18世紀の世界の動きを理解するのにも向いています。 18世紀・文化爛熟の時代この本が扱うのは、平賀源内や上田秋成が活躍し、『解体新書』が書かれ/描かれ、東錦絵と呼