きょうだいが集まって 「母親の老後はだれが面倒見るか」 という話し合いをした。 次男のヤスヒロさんが言った。 「まず、親の意見を聞くべきだろう」 母親は、長男と暮らしたいと言う。 「それじゃあ決まりだ。 兄さんが母さんの面倒を見る。 そのかわり、僕たちは、兄さん達のやり方に、 一切口出ししない」 それで すんなりいった というのだから、 ヤスヒロさんの親も きょうだいも、 たいしたもんだと思う。 仕事が忙しいとか、家庭があるからとかで、 誰かに親を託しておきながら、 たまに いい顔して外に連れ出し、 親の愚痴を聞いたり、 世話をしている人の悪口を言ったりしがちだ。 改善する必要や 正す事があれば、 面と向かって話し合うべきであり、 さもなくば手出しせぬ者口出し無用。 何より素晴らしいと思ったのは、 「まず、親の気持ち」を問うところ。 私たちはともすれば、肝心の本人をないがしろにして、 物事