ネイチャー誌の腸内フローラ特集増刊号から、最新動向を引き続き紹介したい(「腸内フローラ」ネイチャー誌が特集増刊、慶応大の本田賢也氏らの17の菌治療が実用目指すを参照)。 腸内細菌と脳との相互作用を利用して、うつ病や気分障害を治療できる「サイコバイオティクス」の開発に向けた研究が進んでいるようだ。 サイエンス誌やネイチャー・メディシン誌で執筆し、米国科学著述者協会(NASW)の賞も受賞している科学ライターが報告している。 腸内細菌が精神状態に影響 私たちの腸の状態が精神状態まで支配するという認識は100年以上前からあったという。 19~20世紀初頭の科学者は、腸に老廃物がたまって「中毒」が起きると想定。腸で発生した毒素がうつ病や不安、精神病につながると考えていた。 下剤の投与や腹部手術まで行われていたようだ。 時は過ぎて、まさかこの考え方が復活しようとしている。 人の腸内細菌叢に