川崎市北部地域の医療ニーズに応えるため、2006年2月に市内3番目の市立病院として開院した川崎市立多摩病院は、公設民営の指定管理者制度により学校法人の聖マリアンナ医科大学が運営する公立病院として注目されている。開院当初から電子カルテシステムや部門システムが連携した総合医療情報システムを構築、情報の一元化を実現し、医療の質、患者サービスの向上、医療現場の安全性確立や業務の効率化をめざした充実した医療のIT化を成し遂げている。 学校法人が指定管理者となった全国初のケースとして注目 病床数376床を有する川崎市立多摩病院は、川崎病院、井田病院に次ぐ川崎市の3番目の市立病院として川崎市北部医療圏(高津区、宮前区、麻生区、多摩区)の医療供給体制を担う目的で開院した。その背景には、川崎北部医療圏は都市部にもかかわらず、神奈川県が定める二次保健医療圏の基準病床数に対して約400床の不足が生じていたという