総評 一流の文筆家による一流の論文入門。これから論文を執筆するすべての人はもちろん、まじめに文章を書いてみようというすべての人にお勧めしたい。 多数の文章入門本で溢れている。しかし、ほとんどは駄本だと言っていい。なぜか?それは、二流・三流の書き手の書いたマニュアル本だからだ。 よい読書をするコツは、とにかく一流のものを読むことだと思う。論文入門にしてもそう。二流の書き手が書いたものは、所詮二流のノウハウ。三流の書き手の書いたものは、同様に三流のノウハウ。だから、論文の作成法にしても、可能なら一流の技を盗みたい。 筆者のウンペルト・エーコは「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」などの小説で知られているが、本業は学者。しかも、記号論の領域では超一流の業績を持つ人物(らしい 笑)であり、したがって論文作成もお手の物。 本書はそのエーコによる論文執筆のイロハ。資料探し(ネタ集め)から、情報整理、執筆