著者の大学での講義内容を整理し、補助教材として使用するために書かれた小論。憲法学者であるローレンス・レッシグの著した『CODE インターネットの合法・違法・プライバシー』(翔泳社)、および哲学者であるペッカ・ヒマネンの著した『リナックスの革命』(河出書房新社)を読むにあたってのイントロダクションとしても位置付けられる。前半では、憲法が何のために、どのように現われて、どういった機能を果たしてきたのかを概観し、つづいて、人間の基本的権利を保全するために憲法が抑制してきた「力」について解説する。後半では、情報時代における「力」の形態について考察した後、情報時代の憲法のあり方について提示する。