産経毎日新聞で批評家・作家の東浩紀氏と社会学者の開沼博氏の『脱「福島論」往復書簡』が掲載されていた。開沼氏は、福島県外の非当事者からの原発災害に関する意見に「ありがた迷惑」なものが多くあり、無自覚にそれを行わないようにして欲しいと訴えている*1のだが、それに東氏は『発言の権利がある人とない人を、誰かに「迷惑」か否かといった基準で分割する、乱暴な発想』と批判している。東氏は、開沼氏に「外から乗り込んできて福島を脱原発運動の象徴、神聖な場所にしようとする」のが迷惑だと宣言されて、「福島第一原発観光地化計画」が否定されたように感じて傷ついているようだ。計画が被災者のためになるか、迷惑になっても実行する価値があることを主張すれば良いだけ*2なのだが、発言権が取り上げられたように感じているらしい。 1. 発信をすれば批判は避けられない 東氏の開沼氏への批判に無理がある。開沼氏は「ありがた迷惑」行為者