【ワシントン=久留信一】「日本の元政府関係者からガイアツを頼まれた」。米通商代表部(USTR)のカトラー代表補は二日、環太平洋連携協定(TPP)への日本の参加問題で、日本政府OBからの働き掛けがあったことを明かした。 野田佳彦首相が、TPP交渉参加に向けて関係国と協議に入る方針を表明した十一月十一日までの国内協議の最中、数人の元日本政府関係者が訪ねてきて同代表補に「少しガイアツをかけて、TPP参加が日本にとってよいことであると伝えてもらえないか」と、TPP参加を日本に促す働き掛けを求めたという。代表補は、関係者の具体名は明らかにしなかった。 同代表補は要請について「日本経済の将来にかかわるような大きな決定に、通商相手国がどうこう言うべきではない」との判断を強調。「米政府は日本の国内協議に一切介入しなかった。決定は日本自身の決断だ」と述べた。