東京タワーの足元にある南極観測隊の15頭の樺太犬の像=10日、東京都港区芝公園 【中山由美】50年以上前、第1次南極観測隊に同行したタロ・ジロなど15頭の樺太犬をたたえて東京タワーの足元に建てた像が、周辺の改修工事のため15日から撤去されることになった。1958年にタワーができた翌年、日本動物愛護協会が建てたもの。協会は移転費用が工面できず頭を抱えている。 15頭は57年、1次隊とともに南極に入り、そりをひいて活躍した。だが翌58年2月、物資を運ぶ観測船が昭和基地にたどり着けず、観測隊は一人残らず引き揚げた。15頭は無人の基地に置き去りに。1年後、タロとジロの2頭だけが生きて見つかった。像はその年、協会が募金を呼びかけて製作。東京・渋谷駅前の忠犬ハチ公像を造った彫刻家、安藤士(たけし)が手がけた。 像の撤去が急に必要になったのは、2020年の東京五輪招致を応援するため、像の場所を使っ