BOOKOFFの洋書棚にみる現代のアジール:「路上観察学会」を手がかりとして第16回芸術評論募集次席作品「インターネット民芸の盛衰史」の筆者、ウールズィー・ジェレミーによるレビュー。赤瀬川原平らが設立した「路上観察学会」の思想をたよりに、全国にチェーン展開する大型古本店「BOOKOFF」の洋書コーナーから現代社会における自由を見出す。 文=ウールズィー・ジェレミー BOOKOFFパサージオ西新井店 昨今、すべての消費はますますアルゴリズムに左右されている。例えば、筆者が音楽を聞くとき、YouTubeは自分の好みに合わせて自動的に流してくれるし、本を買うのはAmazonがススメてくれたから。もはや何を消費したらいいのかという心配に悩まされる必要がない時代になっているのだ。これはこれで便利なので、文句は言わない(言おうとしても誰も聞いてくれないだろう)。しかし、すべてが徹底的にキュレーションさ