田中文部科学相が主導した大学設置審査制度を見直す検討会の初会合が21日夕、開かれる。大学不認可騒動で、田中氏がこき下ろした審査制度。発信力を買われた大臣の発言だけに、世間には共感する声も少なくない。ただ、田中氏の批判には誤解もうかがえる。大臣発言に沿って、制度の本来の意味を調べてみると――。 〈許可される前から、ビルが建ち、教授を確保している。これ、極めて不自然だと思う〉 新設の審査を行っているのは、文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会(設置審)」。委員は文科省令「大学設置基準」に照らして、実際の開校までに、研究室や教室の数、運動場の広さが確保されるかどうかも審査する。委員の一人は「ある程度建物ができていないと、基準を満たしているかを確認できない」と話す。実際に今年の審査でも、校舎が狭いことなどを理由に、6月の時点で1校が不認可とされた。 こうした事情で、多くの新設大学は、正式申請の