NHKの連続テレビ小説(以下、朝ドラ)は、近年もっとも注目されているドラマ枠だ。それだけに毎回、激しい賛否が巻き起こるのだが、今週最終回を向かえる『まれ』は、主に物語のわかりにくさと登場人物の一貫性のない行動が、激しい批判にさらされた朝ドラだった。 しかし、『まれ』は本当に不出来な作品だったのだろうか? そして何故、これほどまでに批判されたのか? 映像面と脚本面から総括してみたい。 『まれ』は、能登で暮らす夢嫌いの少女・津村希(土屋太鳳)が、パティシエ(菓子職人)を目指す物語だ。物語は1994年からはじまり、2000年代を経て、2015年の現在に辿り着く。『ごちそうさん』『花子とアン』、『マッサン』と戦前・戦中・戦後(昭和)という時代を描く物語が三作続いた朝ドラだが、2013年の『あまちゃん』以来、久々に登場した現代が舞台の作品だ。 『まれ』で秀逸なのは、パソコンや携帯電話などといった00