愛知県は、30日に県営名古屋空港(愛知県豊山町)に開業する「あいち航空ミュージアム」に、旧三菱重工業が大江工場(名古屋市港区)で開発、製造した零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を展示することを決めた。 戦闘機の展示には賛否両論が巻き起こる可能性はあるが、大村秀章知事は、わが国の航空機産業を語るうえで、当時最先端の性能、世界的な知名度を誇るゼロ戦を、負の歴史とともに紹介することは意義があると判断した。 ゼロ戦は、5月に休館した三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所史料室(豊山町)に展示されていた機体を借り受ける。終戦間際に大江工場で生産された「52型甲」で、1983年に南太平洋のヤップ島(ミクロネシア連邦)で発見され、三菱重工が2年かけて復元した。3日に搬入される予定。 関係者によると、展示には、軽量化に貢献した新素材「超々ジュラルミン」や空気抵抗を減らすため主翼の表面に打ち込んだ「沈頭鋲(ちんとうび