人を殺傷する凶器であると同時に、至高の芸術品でもある――。古代のもののふから現代の刀剣女子まで、日本刀は時代を超えて多くの人々を魅了してきた。今回は、鎌倉時代に作られ、終戦直後に闇と消えた「幻の宝刀」にまつわる悲しくも不思議な物語を紹介する。 目標額の8倍超…復元費用はネットで調達 若き刀匠2人が現代に甦らせた「蛍丸」PCブラウザゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(c)2015-2018 DMM GAMES/Nitroplus 「蛍丸(ほたるまる)」という大太刀のことをご存じだろうか。熊本県の阿蘇神社の宝刀として伝わってきたが、終戦直後の混乱で忽然(こつぜん)と姿を消した「幻の宝刀」だ。 その大太刀が若き刀匠2人によって復元され、2017年6月に阿蘇神社に奉納された。インターネット上で出資を募る「クラウドファンディング」で製作費用を集めたことも話題を呼んだ。わずか5時間で3193人から、目