環境省は8日、昨夏に半世紀ぶりに国特別天然記念物ニホンライチョウが確認された中央アルプス駒ケ岳(2956メートル)付近で、雌のライチョウ1羽に北アルプス乗鞍岳(3026メートル)の個体が産んだ有精卵を抱かせる試みを始めた。ふ化させて生息地としての復活を目指す計画の一環で、順調にいけば今月末にもふ化する見通しだ。 同省のライチョウ保護増殖検討会で委員を務める信州大名誉教授の中村浩志さん(72)=鳥類生態学、第26回信毎賞受賞が決定=や、同省信越自然環境事務所(長野市)の職員らが作業を進めた。8日朝、乗鞍岳で二つの巣から計6個の有精卵を採取し、一部を保温しながら運んだ。 駒ケ岳付近で生息が確認されている雌1羽は、中村さんが事前に無精卵を抱いているのを確認。この日、雌が巣を離れた間に無精卵8個を回収し、有精卵と入れ替えた。 中村さんは取り組みについて「絶滅の危険性を少しでも減らしたい」と説明。「