能登半島地震で被災した、1300年の歴史を誇る輪島市河井町の重蔵神社は5日、ご神体を一時的に移している金沢市本多町の石浦神社で伝統の春祭りの神事を執り行った。300年以上前から続く春祭りの歴史の中で、別の場所で神事は初めて。 (脇阪憲) 神社では春の「曳山(ひきやま)祭」、夏の「キリコ祭」がともに地域の風物詩として親しまれている。ところが元日の地震で拝殿、社務所など神社は壊滅的な被害を受けた。経年劣化のため昨春から修繕事業に取り組んできた曳山、大キリコは全壊は免れたが、新たな損傷部位が見つかったほか、曳山を保存する山蔵が全壊した。 この日は、重蔵神社の禰宜(ねぎ)、能門(のと)亜由子さん(47)のほか、石浦神社や内灘町の神職らも協力し、神事を執り行った。春が訪れた喜びを表現し、秋に向けて豊作を願う神事「神主舞」もあり、太鼓や横笛の音に合わせて袖を振り乱したり、しゃがみ込んだりする大胆な舞を