私が通っていた小学校の横には住宅地にしては大きな公園があった。 グラウンドと藤棚とツツジ園と忠霊塔が建っているような公園で、春はグラウンドを囲むように桜の花が咲き、桜が散るとツツジやフジの花が見ごろを迎えた。お年寄りはグラウンドでゲートボールを楽しみ、花が咲いている付近を散歩したり談笑したりしていた。公園の向こう側にはお寺があり、秋には写生会もしたし、見世物小屋がくるようなお祭りも行われていた。時々、私の小学校は公園のグラウンドを借りてマラソン大会やスポーツ大会を行ったりもした。公園のグラウンドではあったが、第二の小学校のグラウンドのようでもあったのだ。 ある日、学校へ行くとみんなが腰が90度ぐらい曲がっているおばあさんの話をしていた。なんでも隣の公園には毎日のように腰が90度曲がっているおばあさんが散歩をしており、すぐにこどもを叱りつけるらしかった。 「90度ばあさん」みんなはそんなあだ
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