コンビニエンスストアを産み出し、日本最大の流通グループを作り上げた鈴木敏文氏は、なぜ辞任しなければならなかったのか。鈴木氏本人をして「私以上に私を知っている」と言わしめたジャーナリストの勝見明氏が、その真相を分析する。 なぜ鈴木敏文氏は世間から誤解されるのか セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が辞任の意向を表明した。私はこれまで鈴木氏に数十回取材を行い、鈴木氏の発想法や仕事の仕方、生き方についていろいろな角度から質問し、その暗黙知を引き出し、言語化(形式知化)するという仕事を続けてきた。そのため、鈴木氏本人から「私以上に私を知っている」と評されたこともある。その私から見ると、今回の辞任劇についてのマスコミ報道や世の中の反応には、多分に「誤解」が含まれているように感じる。 鈴木氏の思考法の大きな特徴は、常に未来に起点を置いて発想することにある。過去や現在の延長線上で考えるのではなく
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