カナダのNDRIO(New Digital Research Infrastructure Organization)※は、4月1日、事務局を含むPortageのオペレーションをNDRIOに統合したと発表した。 Protageは、CARL(Canadian Association of Research Libraries、カナダ研究図書館)などによって構築されたもので、RDM(Research Data Management、研究データ管理)に関わるサービスおよびインフラの開発に取り組んでいる。今後はNDRIOの一部として、プラットフォーム、サービス、ツール、アウトリーチ、トレーニングを通じてカナダのRDMをサポートしていくという。 ※2019年に設立された、持続可能なデジタル研究インフラエコシステムをサポートするカナダの非営利組織。 [ニュースソース] Portage Network
PLOSは、3月31日、ジャーナル"PLOS Computational Biology"にコード共有ポリシーを導入したと発表した。 本ポリシーは、既存のデータシェアリングとソフトウェアのポリシーを補完するもので、3月30日以降に投稿されたすべての論文に適用される。 PLOSは、コード共有ポリシーについて、コミュニティーのニーズおよびオープンサイエンス実践を促進するイニシアチブをサポートするためだと説明。また、本ジャーナルの41%の論文ではすでに自発的にコードが共有されていたことなども紹介した。 [ニュースソース] Supporting community needs with an enhanced code policy on PLOS Computational Biology ― PLOS 2021/03/31 (accessed 2021-04-05) Code Availa
cOAlition Sは、3月30日、助成を受けた学術出版物の利用に関するLIBER(Association of European Research Libraries、欧州研究図書館協会)が策定した法案への賛意を表明した。 本法案は、すべてのEU加盟国に対し、公的助成を受けたすべての学術出版物を即時OA(オープンアクセス)で出版するよう明示したもの。 cOAlition Sは、助成を受けた研究成果を自由に再利用できるライセンスの下、即時OA化することを規定した"Rights Retention Strategy"やHorizon Europeの措置を補完するものであるとし、LIBERによる本法案を熱烈に支持するなどと述べた。 [ニュースソース] cOAlition S enthusiastically supports the LIBER Draft Law for the Use o
Elsevier社は、3月29日、"Inclusive author name change policy"の導入を発表した。 これにより、著者は、過去の査読済み論文の著者名をさかのぼって変更できる。 Elsevier社は、リクエストがあれば、ScienceDirectなどの主要プラットフォーム上の論文の全バーションの著者名を変更するとし、Scopus、Web of Science、PubMedなどの2次プラットフォームやPorticoなどのアーカイブに収載された論文にもその変更が反映されるという。 [ニュースソース] Elsevier launches a trans-inclusive name change policy ― Elsevier 2021/03/29 (accessed 2021-03-30)
cOAlition Sは、3月29日、Elsevier社とUC(University of California)間のread & publish契約に関するARL(Association of Research Libraries、研究図書館協会)の声明(3月16日発表)を歓迎した。 ARLが声明の中で示した、「1)著者の出版費用(APC(論文掲載料)など)の負担を減らし代わりに研究機関がそれらを負担すること」「2)研究機関が作成した研究成果へのアクセスを拡大すること」「3)学術コミュニケーションエコシステムをより公平にすること」「4)権利保持や学術へのマシンアクセスのような研究者のニーズをサポートすること」「5)コストを抑制または削減すること」という出版社との交渉における5つの目標について、cOAlition Sは、Plan Sの10原則と合致するものであるなどと述べた。 [ニュース
Times Higher Education(THE)は、3月25日、「THE世界大学ランキング日本版2021」を公表した。 これは、「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」を指標として、日本の278大学(国立67校、公立44校、私立167校)をランキングしたもの。 トップは「国際性」のスコアを伸ばし4指標のバランスがよい東北大学が2年連続で獲得。2位は1つランクを上げた東京工業大学、3位は東京大学、4位は京都大学、5位は3ランク上げた大阪大学と続く。私立大学は11位の国際基督教大学が最上位であった。 [ニュースソース] 「THE世界大学ランキング日本版2021」-東北大学が2年連続トップ ― THE 2021/03/25 (accessed 202-03-30) [小欄関連記事] 2020年03月26日 THE、「THE世界大学ランキング日本版2020」を公表
Jiscは、3月25日、大学出版局のOA(オープンアクセス)出版をサポートするツールキット"New university press toolkit"を公開した。 本ツールキットは、機関の賛同を得るための方法や出版局の新規立ち上げの正当性の証明に必要なリソースや予算に関する理解、持続性を達成する方法やその定義方法、著者の引き付け方やサポートの仕方など、既存の大学出版局や大学出版局の立ち上げを検討する際に役立つ情報を網羅したもの。全11セクションからなり、CC BYライセンスで公開されている。 本ツールキットは、新しい大学出版と学術界主導の出版事業の動向を考察した報告書"Changing publishing ecologies"(2017年公開)の推奨事項の1つ「OA出版を行う大学・図書館主導の新しい出版局の企画および立ち上げに役立つベストプラクティスツールキットを作成すること」に端を発
NDL(National Diet Library、国立国会図書館)は、3月25日、「国立国会図書館書誌データ作成・提供計画2021-2025」を策定した。 これは、「国立国会図書館書誌データ作成・提供計画2018-2020」の後継となる計画で、2021年度から2025年度までを対象としたもの。 「日本目録規則2018年版」の適用、オンライン資料からの雑誌記事索引の作成、書誌データのオープン化などこれまでの取組を発展させ、さらに「国立国会図書館ビジョン2021-2025」におけるデジタルシフトの推進という趣旨を考慮し、他機関との連携協力などを行っていくという。 [ニュースソース] 「国立国会図書館書誌データ作成・提供計画2021-2025」を掲載しました ― NDL 2021/3/25 (accessed 2021-03-29) 書誌データの基本方針と書誌調整 ― NDL 202
Springer Nature社は、3月23日、UC(University of California) Berkeley LibraryとOA(オープンアクセス)図書契約を締結したと発表した。契約は2021年から3年。 本契約を通じて、人文社会科学、科学、技術、数学などすべての分野の図書を対象に、UC Berkeleyに所属する著者にOAのための資金を提供する。 OA図書は、年内にSpringer、Palgrave、Apressの下で出版される予定。CC BYライセンスで出版され、SpringerLinkを通じて自由にアクセスできるようになるという。 [ニュースソース] Springer Nature and UC Berkeley Library sign new open access book partnership ― Springer Nature 2021/03/23 (
2021年3月21日(日)、同志社大学の京田辺キャンパスでの学位授与式に、赤き血潮を胸に出席しました。この日をもって、修了、「修士(政策科学)」授与となります。 当日は雨予報でしたが、止み間もあったので、傘を刺さずに屋外で記念撮影することもできました。 式って何をするんだろうと思っていましたが、同時修了の同じゼミ生達と話をしたり、プレゼントを交換したり、お世話になった他のゼミ生達にも会えて、よい時間を過ごせました。 式の挨拶は(退屈な話と思ってましたが…)、学長は伝染病の小説を引用し、他者のために生きることを話しました。 総長は、D色強い話で少々引きましたが、これまた誰かの詩?を引用しつつ、青春が終わるのは挑戦しなくることと。最後は「さようなら、ではなく、いってらっしゃい」。 同じゼミ生で82歳の方がおられます。TV大阪のニュースで紹介されました。以下のサイトで、5分ほどの全編が見られます
英国図書館ビジネス・知的財産センターの概要と近年の動向 利用者サービス部科学技術・経済課・井樋三枝子(いびみえこ),旗手優(はたてゆう) 英国図書館(BL)のビジネス・知的財産センター(Business & IP Centre:BIPC)がパイロットプロジェクトを経て2006年に正式にサービスを開始(E464参照)して10数年が経過した。BIPCは,ロンドン開発庁による中小企業や起業家の支援のための情報センターの構想を契機に, BLの一部門として設置され,政府支出の他,自己収益,外部資金等により運営されてきた。BLでの設置には,当時の米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)のビジネス支援サービスの影響もあった。 BIPCは,ビジネスや特許を専門とする外部機関所属のスタッフを交えたコンサルテーションやワークショップ等を実施し,無料または低価格で,市場調査情報,ビジネス関連情報等のデータベースを
本を通じたコロナ禍でのコミュニティ形成:聖学院大学の取組 聖学院大学経営企画部入試・広報課 聖学院大学(埼玉県)は,本学が運営するウェブサイト「&Seig」(あんど・せいぐ)に,新たなコンテンツとして『Bookyard あなたと出会う、本の中庭』(以下「Bookyard」)を創立記念日である2020年10月31日に公開した。 「&Seig」とは,本学で日々を過ごす一人ひとりの「出会いを通じて気づきを得る活動」を取り上げ魅力(ブランド)を発信するウェブサイトである。本学では,創立30周年(2018年)のタイミングで,教職員・学生の協働により新たなタグライン「一人を愛し、一人を育む。」を策定した。「&Seig」は,このタグラインが何を意味し何を目指しているかを発信するメディアとしても位置付けられている。 ●Bookyardについて コロナ禍で日々の活動が制限されるなか,本学学生も通常であれば感
「次世代のメタデータへの移行」に関する報告書 収集書誌部国内資料課・髙橋玲奈(たかはしれいな) 2020年9月,OCLC Researchは,次世代のメタデータへの移行に関する報告書,“Transitioning to the Next Generation of Metadata” を公開した。本報告は,メタデータ・マネジメントに関する意見交換等の活動を行う“OCLC Research Library Partners Metadata Managers Focus Group” による,2015年から2020年にかけての議論や次世代のメタデータに関わる予測の集大成であり,近年のメタデータの展開の概観と,次世代のメタデータへの移行が図書館サービスに与える影響の検討を行っている。 報告書では,「なぜメタデータに変化が起きているのか」「メタデータ作成プロセスはどのように変化しているか」「メタ
英国図書館(BL)が展開する研究協力事業 関西館図書館協力課・宮田怜(みやたれい) 2020年11月,英国図書館(BL)は報告書“British Library Research Report 2018-19”を公表した。2018年10月から2019年9月までの1年間を対象に,同館の研究支援・研究実践に関わる研究協力事業を報告する内容である。BLは2018年度から,前年度の研究協力事業の報告書を公表しており,今回の公表は3回目に当たる。本稿では,最新の報告書の内容を中心に,BLが展開する近年の研究協力事業について紹介する。 BLにおける「研究」は,現行ビジョン“Living Knowledge”でも,管理・ビジネス(E2369参照)・文化・学習(E2273参照)・国際協力活動と並ぶ目標に設定され,同館の中核事業の一つである。教育科学省(当時)からの移管により1974年に設立された研究開発部
JPROの書誌データポータルサイト「BooksPRO」 日本出版インフラセンター・田代信光(たしろのぶみつ) 2020年11月16日,一般社団法人日本出版インフラセンター(JPO)の運営する出版情報登録センター(JPRO)は,書店の仕入担当向けに提供していたポータルサイト「BooksPRO」を図書館でも閲覧可能とした。本稿では,その経緯と現状について紹介する。 JPOは,日本書籍出版協会,日本雑誌協会,日本出版取次協会,日本書店商業組合連合会,日本図書館協会(JLA)を設立団体として,出版業界の情報インフラ整備を使命として2002年から活動している。ISBNの管理・更新を行う図書コード管理センター,JPRO,雑誌コード管理センター,書店情報の管理・更新を行う書店マスタ管理センター等により,出版に関する情報インフラの管理運営を行っている。 「BooksPRO」は, JPROが管理する書誌デー
新しい学術情報検索基盤「CiNii Research」プレ版について 国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター・大波純一(おおなみじゅんいち) 2020年11月6日に,国立情報学研究所(NII)のオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS;E1925参照)は,新サービスである「CiNii Researchプレ版」(以下「プレ版」)を公開した。本サービスは2021年4月公開予定の「CiNii Research」(以下「本公開版」)の先行バージョンとして,試験的にリリースされたものである。本稿では「CiNii Research」の開発の経緯と今後について紹介する。 ●CiNiiについて NIIの学術情報検索基盤として広く知られるCiNiiは,時代と共に役割や機能を変えて発展を続けてきた(E638,E1697,E1894,CA1691参照)。しかし近年,学術情報公開における環境は大き
ヒューゴ・メルシエ『人は簡単には騙されない:嘘と信用の認知科学』高橋洋訳, 青土社, 2021. 認知科学。著者は、『表象は感染する』(新曜社, 2001)のダン・スペルベルの弟子筋の研究者である。フランス人だが、原書は英語のNot born yesterday: the science of who we trust and what we believe (Princeton University Press, 2020)である。 人は騙されやすいという流布した説とは異なって、著者はむしろ騙されにくいと主張する。サブリミナルは効かない。大半の詐欺行為は失敗している。その理由は、有益なメッセージを進んで受け入れると同時に有害なメッセージを拒否するという「開かれた警戒メカニズム」が進化によって人間に備わっているからだ。その開放性は、他の動物と比べて、多様で変化する環境に適応する能力を人間に
ペーテル・エールディ『ランキング:私たちはなぜ順位が気になるのか?』高見典和訳, 日本評論社, 2020. ランキングについて考察する一般向け書籍。著者は1946年生まれのハンガリーの科学者で、複雑系やコンピュータ神経科学を専門としている。2000年代からは米国の教養大学でも教えているとのことで、ハンガリーと米国を行ったり来たりしているようだ。原書は、Ranking: the unwritten rules of the social game we all play (Oxford University Press, 2019.)である。 最初の章で「ランキングは客観的なものではない」と釘をさされる。ならばなぜランキングが気になるのか。その答えは、それが秩序を生み出すからだというものだ。にわとりのpecking orderの例が挙げられ、階層を作ることで群れの中での競争を小さく抑えること
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