2023年9月27日掲載 白楽の意図:「偽造著者(forged authorship)」シリーズ。2022~2023年に約10論文を出版した日本人の番木俊之(トシユキ・バンギ、Toshiyuki Bangi)の所属はシンガポールの南洋理工大学(Nanyang Technological University)である。しかし、南洋理工大学は、番木俊之は過去も現在も在籍していない、という。つまり、番木俊之は架空人物だ。中国の江南大学(Jiangnan University)のコン・ジャン副教授(Cong Zhang、张聪)が番木俊之を共著者に加えていた。2023年2月、コン・ジャン副教授は事件発覚後(発覚前?)に、江南大学を辞職した。この事件の全貌・動機を白楽は掴めていない。事件を解説したレベッカ・ソーン(Rebecca Sohn)の「2023年9月の撤回監視」論文を読んだので、紹介しよう。