ビブリオバトルでチャンプ本を選ぶことが批判されることがしばしば起こる。このような批判に対して私は、ビブリオバトルの勝敗が本の優劣を決めるものではないこと、チャンプ本を選ぶことで参加者の関心を表出できるというメリットがあると答えて、ビブリオバトルの弁護を試みることが多い。しかし、私はこのような弁護が批判に対応できているのか常々疑問に思っていた。そして、どうしてこのような批判が起こるのか、どうすれば適切に対処できるのか悩んできた。 悩んだ末に私は次のような考えに至った。ビブリオバトルに勝敗の要素があることに批判が集まる原因は、チャンプ本を選ぶ目的が多くのビブリオバトルイベントで不明確だからなのではないか。『[ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』によれば、ビブリオバトルは、本来は輪読会で読む本を決めるために生み出されたゲームであるという。そこでは、ビブリオバトルで選出されたチャンプ本は、