ブックマーク / www.kunimiya.info (13)

  • マンデート・ルール : ビブリオバトル追加ルールの提案

    ビブリオバトルでチャンプを選ぶことが批判されることがしばしば起こる。このような批判に対して私は、ビブリオバトルの勝敗がの優劣を決めるものではないこと、チャンプを選ぶことで参加者の関心を表出できるというメリットがあると答えて、ビブリオバトルの弁護を試みることが多い。しかし、私はこのような弁護が批判に対応できているのか常々疑問に思っていた。そして、どうしてこのような批判が起こるのか、どうすれば適切に対処できるのか悩んできた。 悩んだ末に私は次のような考えに至った。ビブリオバトルに勝敗の要素があることに批判が集まる原因は、チャンプを選ぶ目的が多くのビブリオバトルイベントで不明確だからなのではないか。『[ビブリオバトル を知り人を知る書評ゲーム』によれば、ビブリオバトルは、来は輪読会で読むを決めるために生み出されたゲームであるという。そこでは、ビブリオバトルで選出されたチャンプは、

  • 図書館についての原体験

    私が図書館に関心を持ち、図書館について学ぼうと考えるようになったきっかけは、初めて自分ひとりだけで図書館に行ったときの感動だった。 それは小学校低学年の頃だったかと思う。私が小さな市立図書館の扉を開いて、自由に棚を歩いているときに抱いたイメージは今でも覚えている。それは無数の窓であった。 それも窓と窓が重なりあい隣り合い、ひとつの結晶構造を形作っているような、そのようなイメージだった。窓の向こうには私が行ったことのない国があり、会ったことのない人がいて、今まで聞いたことのない話をしてくれようと私に手を伸ばしている。窓から窓に様々な糸が張り巡らされていて、窓を開いて話を聞いているとき(つまり棚からを取り出して読んでいるとき)、ときおりその糸が揺れうごき、窓と窓の関係を私に教えてくれた。 棚を前にしてこのようなイメージを抱いた時、私は自分が無数の人びとと共に生きていているということを実

  • タイムラインに縛られたウェブ

    ブログ然り、Twitter然り、時間に基いて配列してコンテンツを配列する、いわゆる「タイムライン形式」のコンテンツ発信手法が主流だ。 この手法は一見、理にかなっているようにみえる。 時間は人間が生きる上で絶対に存在するもので、時系列は逆行も重複もしないコンテンツの分類方法だから、 コンテンツ制作者は情報のアーキテクチャについて考える必要はなくコンテンツを配信することに専念できる。 しかし、タイムライン形式のコンテンツ発信手法にはある問題を抱えている。 それはコンテンツの誤りを訂正したり、内容を改善しようとするのが難しい点である。 ブログやTwitterといったタイムライン機能を持つウェブサービスでは基的に内容の変更を前提としていない。 特にTwitterはツイートの変更という機能そのものがなく、削除しかできない。 ユーザはしゃべるようにコンテンツを発信し、内容を変更しようとすればそれを新

  • NDL LabSearch Clientのデモサイトを公開しました

    先日オープンソースプロジェクトとして公開したndl-labsearch-clientですが、このたびデモサイトを構築しました。 ndl-labsearch-clientデモサイト デモサイトの構築にあたってはHerokuで静的ウェブサイトを構築できるHeroku Static Providerを使わせていただきました。このデモサイトのソースコードもndl-labsearch-clientと同様、GitHub上で公開しております。 ineku2/ndl-labsearch-client-demo Herokuは直接に静的ウェブサイトを提供することができないので、ndl-labsearch-clientの他にもスクリプトを置く必要がありますが、レンタルサーバーや無料のウェブサイトホスティングサービス上であればndl-labsearch-clientを公開ディレクトリに置けばいいだけです。にもか

  • NDL LabSearch Client をオープンソースとして公開しました

    だいぶ遅くなりましたが、2013年度まで国立国会図書館の非常勤調査員を務めていた際に開発した、NDL LabSearch Client をオープンソースとして公開しました。 ineku2/ndl-labsearch-client - GitHub NDL LabSearch Clientは国立国会図書館が運営するNDLラボサーチのUI部分を司るアプリケーションです。このアプリケーションの特徴は、全てのコードがHTMLJavaScriptで成り立っており、ローカル環境下でも動く点です。そのため、NDL LabSearch Clientのユーザはブラウザとテキストエディタさえあれば、NDLラボサーチのUIを自分の好きなように改造することが可能です。 また、検索サーバとはJSONPで通信を行うため、アプリケーションはNDL以外のサーバ上にアップロードして動かすことが可能です。NDLラボサーチ

  • システムズライブラリアンってなんだろう

    E1459 - DSpaceコミッター就任の鈴木敬二さんにインタビュー | カレントアウェアネス・ポータル 専門性とかシステムズライブラリアンとかどうでもよくて(E1459感想) - ささくれ 「システムを作りたい人」、そして「システムを作ること」について考えてみた。: 日々記―へっぽこライブラリアンの日常― 注:書き終わったあとでシステムズライブラリアンはどうでもいいってタイトルに書いてあるじゃないかと気づいたので、以下の文章は上の記事群とはあまりつながらないかもしれません......すみません...... DSpaceコミッターの方のインタビュー記事がカレントアウェアネスRに掲載されたのをきっかけとして、システムズライブラリアンまたはそれに類する業務の話題が図書館系ブログ界隈で盛り上がっているようです。 私はまだいち学生でありシステムズライブラリアンについて語るような言葉は持っていませ

    min2-fly
    min2-fly 2013/08/16
    "図書館の職務についての本質" ←あるんだろうか
  • 【告知】『シリーズ図書館情報学2 情報資源の組織化と提供』に分担執筆者として参加させていただきました

    このたび、私こと常川真央が分担執筆者として参加させていただいた『シリーズ図書館情報学2 情報資源の組織化と提供』が出版されました。 シリーズ図書館情報学2 情報資源の組織化と提供 著者: 出版日: 2013-07-24出版社/メーカー: 東京大学出版会カテゴリ: BookISBN: 4130034928 私は第5章の「ウェブ情報資源の管理とアクセス」を慶応義塾大学の岸田和明先生と共著という形で担当させて頂きました。内容としてはHTTPやRESTなどの基礎的なウェブの知識からはじまり、OAI-PMHなどの図書館情報学の文脈で取り扱われる規格など、ライブラリアンがウェブ情報資源を扱ううえで欠かせない知識を概説するものとなっています。 シリーズは図書館情報学検定試験の試験内容を作成する際の情報源として利用されることを前提としているため、今後試験を受ける方は問題集と合わせてお読みになるとよいかも

  • 『もしも月がなかったら ありえたかもしれない地球への10の旅』はオススメの科学読み物

    もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅 著者: ニール・F. カミンズ出版日: 1999-07-01出版社/メーカー: 東京書籍カテゴリ: BookISBN: 4487761131 太陽、月、そして地球は人間の生活に必ずついてまわる存在である。『天地明察』や『暦の歴史』(書評) などにある通り、人類の歴史および文明もまたこれらの星の動態を予測しコントロールすることが常に重要な事項であった。神話などでも太陽や月は擬人化されるおなじみの存在である。 しかし太陽・月・地球の現在ある姿に慣れすぎてしまっている人類は、ついそれが絶対的不変なものであると考えてしまい、人類が誕生したことを当たり前だと考えがちである。実際には今現在も地球外生命体は公式には発見されていない。なぜ地球にだけ生命体が誕生したのかを明確に答えられる人は少ない。 書は「もしも〜だったら」という仮定による思考法

  • 良い書評とは何か

    『ニッポンの書評 (光文社新書)』を読んでから、自分の考える良い書評とは何であろうかと考えている。 先に上げた書籍は、プロの書評家である豊崎由美氏が良い書評とは何かをセミナー形式で語ったものである。ただ、語られる良い書評とは小説分野に限っている。では小説以外のジャンルはどうなのか?例えば学術書に関していえばネタバレの心配は要らないだろう。一方で書評がガイド的な意味合いを強く持つという点はむしろ学術書など前提知識が必要なジャンルでは小説以上に意識する必要がある。 現時点で私の考える(小説に限らない)良い書評とは、を読み終えたその先を予見させてくれる書評である。は物理的には独立した事物だが、知的生産物としては様々なと網の目状の関連を持っている。だから読書とは単に一冊のを読むことが重要なのではなく、一冊のを起点として知識の関連性を想像するということにある。しかしこの網を想像するには一定

    min2-fly
    min2-fly 2013/06/09
    "読書とは単に一冊の本を読むことが重要なのではなく、一冊の本を起点として知識の関連性を想像するということにある"
  • Enju開発ワークショップに参加

    毎月開催される Enju 開発ワークショップに参加した。会場は筑波大学春日エリアで開催。 日時: 2013年6月8日 10:30-18:00 場所: 筑波大学春日エリア 7D231 詳細: オープンソース図書館システム:Next‐L Enju 第16回開発ワークショップのご案内 今回のメイントピックはFRADに基づく著者名典拠システムの開発である。FRADとは Functional Requirements for Authority Data の略称であり、IFRAが策定した著者名典拠の機能要件をまとめたものである。 Functional Requirements for Authority Data | IFLA 書誌レコードの機能要件をまとめたFRBRの拡張という位置づけであり、FRBRに基づいて設計された Enju には今後何らかの形で実装する必要があるとワークショップ参加者の中で

  • 面白かった順・今までに読んだSFリストとほんの少しの感想文

    もうすでに過去の出来事になりつつあるが、はてな界隈で俺が考えるSF小説ベストN選みたいな大喜利が盛り上がっていた。 そこで私も、といきたいところだけれどもSF小説は好きだがアシモフなんか1冊も読んでいない外道なのでとても手をだせない。 そこで、せめて今まで読んだことのある数少ないSF小説を個人的に面白かった順に並べて振り返ってみた。 作品の質を客観的に評価しているわけではなく、自分の感性と合ったか否かで順番を決めているうえ、コメントもその作品の内容をまともに説明していないのでを探すにあたっては何の参考にもならないと思う。はてブでSFタグを追いまくってる酔狂な人で初心者をぶっ叩きたい人用。 01. ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』

  • 「ウェブ」という比喩の普遍性

    ウェブという言葉を聞いて物理的な網の目を思い浮かぶ人は現代ではほとんどいないだろう。現代ではウェブといえば World Wide Web の略称となる。 World Wide Web 意外にもウェブ=網の目という比喩は非常に多く使われている。そもそも、WWWが登場するはるか以前に星新一はWWWに非常に類似した電話回線ネットワークを題材にした小説を書いており、その小説はなんと『声の網』というタイトルがついている。技術だけではなく比喩表現も先取りしていたのだ。 声の網 (角川文庫) posted with amazlet at 13.02.14 星 新一 角川書店 売り上げランキング: 133,612 Amazon.co.jpで詳細を見る ウェブという比喩は物事の関係性を表す汎用的な力を持っている。『知識の社会史』というでは、19世紀の学者が階層的な知識分類体系が不完全であると批判し、知識の

  • 第94回図書館情報学チャンネルと、DAISYの話

    私がディレクターを務めるUstream番組「図書館情報学チャンネル」の第94回を日配信しました。 今回は電子書籍に関するニュースをお送りしました。番組内で取り上げたニュースへのリンクはProject LIE Wikiにて参照いただけます。 放送内でもはなしておりますが、個人的には取り上げたニュースに関連するDAISYとEPUB3連携の話に注目していました。 DAISYとは、デジタル録音図書に関する規格であり、書籍内の文章と同期して音声を再生することができるようなフォーマットが用意されています。今回とりあげた話は、DAISYは製作用のフォーマットと配布フォーマットを分割し、配布用フォーマットの選択肢としてEPUB3が採用されるということでした。 EPUB3 ≒ DAISY4 — EPUB 3とDAISY 4との関係 | e-chuban blog DAISY4とEPUB3の関係についてDA

  • 1