ゾンビによる「人間の主張」 評価: ★★★★ 4.0点 このメチャクチャB級の映画を取り上げるのは、この映画が自分の見た初めてのゾンビ映画で、その印象が鮮烈であるからだ。 例えば、この映画における「ゾンビ=ザ・リビング・デッド=生ける死者」という存在を、どうとらえればよいだろう。 この1968年という年は「猿の惑星」の公開された年であり、その映画にも描かれた脅迫症的な色は、アメリカ社会の不穏な状況と無縁ではなかったはずだ。 その社会情勢の陰鬱さは、この映画と通低した闇の恐怖として人々の心の中に在っただろう。 ここには、アメリカにおける公民権運動=黒人達マイノリリティの権利拡大を求める行動や、ベトナム戦争の黄色人種との闘いを、恐怖として感じとった白人達の心情が少なからず反映されている。 実際のところ、「猿」や「ゾンビ」を「黒人」と置き換えたときに、そのアカラサマな拒否反応と嫌悪感に苦笑