作家の三島由紀夫(1925~70年)が自決する約9か月前、自らの文学観や死生観を肉声で語った録音テープが見つかった。 自決に向けて具体的な行動を構想し始めた頃の対談で、自らの文学の「欠点」などを約1時間20分にわたって生々しく語っている。三島研究者は「テープの存在は聞いたことがなく、未発表と考えられる」としており、三島の文学と思想を理解する上で貴重な資料となりそうだ。 テープはイギリスの翻訳家ジョン・ベスター氏(1927~2010年)と日本語で行った対談を収めたもので、東京・赤坂のTBSの社屋内で見つかった。ダビングされたものが資料ロッカーに保管されており、「三島由紀夫とジョン・ベスターの対談」と記され「使用禁止」(放送禁止)扱いにされていたのを社員が発見した。