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ブックマーク / brevis.exblog.jp (7)

  • 仮説検証のトレーニング | タイム・コンサルタントの日誌から

    学生のころ、阿佐田哲也の麻雀小説が好きだった。博打にも無頼にも縁遠い存在だった自分だからこそ、そうした世界に憧れを持ったのかもしれない。しかし、阿佐田哲也という人は情感と理性に絶妙なバランスを持った人で、その小説にはときどき非常に理論的な戦略解説がはさまれていた。 いまでもよく覚えているのは「茶木先生」という名前の音楽教師が出てくる短編で、この人はヴァイオリン・ケースをかかえながら、下手の横好きで雀荘に通ってくるのだ。勘に頼った彼の打ち方を見て、阿佐田哲也の分身である主人公が、いう。『麻雀は一回の結果だけ見て判断の良し悪しは言えない。長い平均で見て55対45の確率があるならば、55の方に賭ける。たとえある局面ではそれが裏目に出ても、腐らずに打ち続けることを学ばなければならない。それがフォームというものだ。』 麻雀自体はひどく運に左右される不確実性の高いゲームだが、そこにセオリーとフォームと

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    mino64
    mino64 2009/11/12
  • 世界の経済地図を見直すとき | タイム・コンサルタントの日誌から

    プラント資機材の値段が上がりはじめている。いや、正確には、上がる気配を見せ始めている。とくに金属や基礎材料。たとえば銅の値段やニッケルの値段はすでに底を打ち、London Metal Exchangeの指標なども上昇に転じている。例えば銅は電力ケーブルの、ニッケルはステンレス鋼の主要な材料である。こうした品目がまず値上がりしていくことは間違いない。原油も上がっているため基礎化学品も追いかけるだろう。 化学プラントというのは、ごく簡単に言うと、巨大な金属のドンガラと、それらをつなぐ無数の配管、配管の中のガスや液体を送る大小の圧縮機やポンプ、熱交換器、制御弁・遮断弁、そして電力ケーブルや制御ケーブルがしこたま、という構成になっている。それから、それらを支える鉄骨やコンクリート構造物がある。たいてい24時間操業だから、夜も無数のライトがついて明るい。『工場萌え』の人たちが好んで撮る、夜のプラント

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  • NUMMIは終わった | タイム・コンサルタントの日誌から

    新聞によれば、米ゼネラル・モーターズは6月29日、New Unitec Motor Manufacturing Inc.=略称NUMMIから手を引くと公表した。倒産したGMは資産を「新生GM」社に引き継ぐ予定だが、NUMMIの工場はその中には計上されない、という。現在NUMMIの工場で生産されているPontiac Vibeは、8月をもって製造を停止する。運営上のパートナーであるトヨタは先月、事業継続を期待すると言っていた。しかし、今や"General Motors"ならぬ"Govenment Motors"となったGMにとって、もはやNUMMIは資産ではなく負債である、ということなのだろう。 NUMMI(ヌンミないしヌーミ)は、1984年にGMとトヨタが最初の提携事業として、50対50ではじめたJoint Ventureである。カリフォルニアのFremontに工場を持つ自動車製造会社、とい

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  • 超入門・工程管理(3) スケジュールを実行可能にするための『7つの処方箋』 | タイム・コンサルタントの日誌から

    それでは、オフィスワークを主体とする工程管理を「実行可能性」の尺度にのせるための、7つの処方箋について説明しましょう。 まず、(1)計数管理に乗せにくい、という問題に対処する2つの方法です。 <処方箋A マイルストーンで追いかける> 数量ベースで進捗を測れないときは、マイルストーンで追いかける。これが工程管理の定石です。マイルストーンとは、スケジュール上の節目となるタイミングで、ふつうは最重要な経路(クリティカル・パス)上に置きます。受注設計生産の例でいえば、[設計レビューの通過] [承認図の提出] [長納期部品の購買手配] [全部品の納入]といった時点が典型的なマイルストーンです。そして、これらマイルストーンの予定日と、実績日を対比して進捗を見ていくのです。 <処方箋B 実績データを台帳化する> ここでいう「実績データ」とは、もちろん工程(スケジュール)に関する実績です。中でも重要なのは

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  • マネジメント、はじめの一歩 | タイム・コンサルタントの日誌から

    半年ぶりに、また大先輩のR先生とお会いした。ある会合で一緒になった後、マネジメント論などを話しながらしばらく帰り道を同行させていただいた。 --R先生。結局、マネジメントって何なんでしょう。 「いきなりずいぶん短兵急な質問だな。どうした、会社でも首になりそうなのか。」 --いや、その点は今のところ、たぶんまだ大丈夫だと思いますが・・。この間、会社で若手に『生産管理入門』の講義をやったんです。その時に出た質問がずっと頭に引っかかっていまして。 「マネジメントとは何か、とでも聞かれたのかい。それでうろたえるとは君らしくないな。ぜんぜん講義になってないじゃないか。」 --そうじゃないんです。マネジメントとはPlan-Do-Seeのサイクルを回すことで、生産管理という仕事は、生産システムについてそれを行うことだ、と説明しました。あ、『生産システム』というのは、工場の人や機械やからなる生産の「仕組み

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  • お見積りは無料です | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、電車に乗っていると、ときどき壁面上部の広告欄に空きスペースを見かけるようになった。さすがに、つり革広告はまだフルに使われているようだが、少しずつ車内広告の量が減少しているらしい。テレビ局や雑誌社も広告収入の減少で青息吐息の状態だ。 情報というものが無料で手に入る、と広く信じられるようになったのは、20世紀後半のことかもしれない。それまでは、だろうが新聞だろうが、一応の対価を払って手に入れていた。それが、ラジオが普及し、さらにテレビが後を追って、受信料を取るNHKをのぞく民放はすべて無料で番組を提供する時代になった。これは広告という新しい産業のおかげである。私は子供の頃、テレビが家にきたのをかろうじて覚えている世代に属するが、おそらく40代以下の人たちは、生まれたときから家にTVがあって、無償でさまざまな情報が送られてくるのを、空気を呼吸するのと同じ感覚で受け止めているにちがいない。

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  • R先生との対話(2)--日本の製造業の困惑 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「さて、かんじんの日の現状だ。日の製造業の状況を知るには、君の会社のように、世界のあちこちからプラント資機材を調達しているところに聞くのも手だろう。君のところは、日からの調達比率は最近どれくらいある?」 --それは、国内顧客向けか海外向けかでちがいますね。国内のお客さんは、やはり日製品を好まれます。欧米製でも、メンテナンス体制に少しでも不安があればダメ。ましてアジア製なんて論外、という風潮がまだ少し残っています。 しかし、海外のプラントの場合、以前から国内調達比率は1/3程度でした。それも、こんなに円高では、もうじき3割を切るかもしれません。私の勤務先は海外向けプロジェクトが全体売上げの80%以上ですから、もはや基海外調達です。欧米やアジアで機材を買って、中東や南米に運んで建てる、そういう状態です。 「そうか。いまや三角貿易が中心か。昔は(つまり君が会社に入る前の時代は、だがね

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