イラン核合意から米国が抜ける影響は、日本にとっても極めて大きい。イランだけでなく、「イランと取引した国にも罰金を科す」という米国の制裁が復活するからだ。 この制裁を米国が導入したのは2011年。三菱東京UFJ銀行(当時)はイランなどへの送金規制に違反したとして、13年以降、米国の金融当局に計5億6500万ドルを支払っている。 財務省の貿易統計によると、11年に1361億円あった日本の対イラン輸出額は、2年後の13年には163億円と、およそ1割にまで減った。自動車や機械などの主な輸出品が、軒並みあおりを食らった。 核合意を受け、制裁が解除されたのは16年1月。前後して、日本の商社やメーカーはイランへの駐在を再開したり、駐在員の数を倍増させたりして商機をつかもうとした。対イラン輸出額も17年には984億円まで回復していた。 だが、米国が制裁を復活させれば、イランとの貿易は再び落ち込む恐れが強い