2014年冬、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「1999 JU3」に向けて出発する。 先代の「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられ、2005年9月に目的地の小惑星「イトカワ」に到着、数多の困難を乗り越えて2010年6月13日に地球に帰還した。帰還地のオーストラリア・ウーメラ砂漠の夜空を明るく照らしつつ崩壊する本体と、その前を飛ぶ帰還カプセルの感動的な映像を覚えている人は多いだろう。はやぶさが宇宙の彼方で繰り広げた冒険と形容すべき探査と、劇的な帰還は大きな話題となり、映画(それも4本!)にまでなった(「数多の困難を乗り越え帰還した『はやぶさ』」参照)。 あれほどの話題となったはやぶさだが、再度の小惑星探査を目指す「はやぶさ2」の道のりは、打ち上げ前から前途多難にして波瀾万丈だった。この連載では、はやぶさ2計画の概要、探査機の実際、そして実現に至るまでの