「毎日2回も3回も見て、その度に涙をボロボロと流しています。こんな朝ドラは初めて」。そう語るのは、最高裁判所判事を約8年務めた桜井龍子さん(77)。旧労働省では、育児休業法の成立、男女雇用機会均等法の改正など「男女平等」の法整備に格闘しました。最高裁では旧姓使用ができないという壁にもぶち当たり……。【聞き手・上東麻子】 【関連記事】「これは私の物語」 女性弁護士が熱く語る「虎に翼」と憲法14条 「私たちの『虎』語り」特集ページはこちら 「男女平等」と言えなかった時代 ――共感のツボはどこでしょうか? ◆寅子は私の母と同じ世代。戦前、戦中の話だし法律も違うはずなのに、なぜかドラマで描かれていることは、私が50年前に旧労働省で経験したことと似ている。若い頃を思い出すんです。それだけ苦労して、苦しかったのよね。 大学を出たものの民間企業は女性の採用はなくて公務員になりました。旧労働省の同期の中で