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2013年5月9日のブックマーク (1件)

  • 新作『多崎つくる・・・』で村上春樹はどこへ向かおうとしているのか?

    村上春樹氏の文学に関しては、昨年に「ノーベル文学賞を逃した」際に、私はこの欄で「村上文学のとりあえずの現在位置」を確認しています。それは、まず若き日には日の左右の政治的立場への「コミットメント」を拒否し、この世界全体への違和感に正直になることから「デタッチメント」という生き方を表現。それは究極の個人主義、あるいは個という視点から見た小宇宙のような世界だった、という認識から始まります。 その後の同氏のスタイルは少しずつ変化しています。まず、オウム事件の被害者への共感から「正義へのコミットメント」という立場へ移動しながら、一方では「大衆社会の相互監視」的なもの(「リトル・ピープル」など)との対決といった「新たなデタッチメント」を経験したり、その一方で『1Q84』に顕著な「性的な刺激、老いの悲しみ」といった「身体性へのコミットメント」に傾いたり、揺れと過渡期の中にあるように思われる、昨年の時点