私はシーランド公国の大公、マイケルだ。 1967年に設立された我々の国は、世界で最も小さな独立国家だ。これまでに各国政府との対立があり、また私は武装テロリストに誘拐されたこともある。 1966年、当時14歳の私は私立の学校を退学し、父、ロイ・ベーツと共に、第二次大戦で使われ、そして捨て去られていた、北海に浮かぶ海上要塞へと移り住んだ。そして1967年9月2日、我々はその要塞が独立した主権国家、「シーランド公国」であると宣言した。父は自ら大公を名乗り、そして母を公妃とした。 我々の主張は、翌年のある出来事がきっかけで勢いづくことになる。近づいてくるイギリス船に対して警告射撃を行った件で、私は武器の不法使用を訴えられたのだが、イギリスの裁判所が「一連のやり取りが国際水域(公海)内で行われたため、この件については裁判権がない」と判断したのだ。 10年後、さらに大きなドラマが起こった。この要塞に豪