認識に差があるまま契約に臨むのは問題 シティライツ法律事務所 弁護士 伊藤雅浩氏 ――AIについては認識が企業によって違うことも少なくありません。現在の契約に関する問題をどのように捉えているのでしょうか? 荒川:AIの導入案件は非常に増えています。その一方で、ユーザー企業やベンダーによってAIについての認識が異なることで、現場で実務上や契約の問題が発生しています。 清水:従来のソフトウェア開発の契約の雛型では、どちらかというと発注者であるユーザー企業が有利になるケースが多くあります。しかし、AIの契約ではユーザー企業の理解が不十分なことを理由に、受注者側に過度に有利な契約条件になるのではないかという懸念があります。ユーザー企業はAI導入のプロジェクトと従来のソフトウェア開発プロジェクトとの共通点や相違点を整理し、理解する必要があると思います。 伊藤:従来のソフトウェア開発は、予算と時間をか