ここでは音声情報を小さなデータ量で表現するための基本的な技術を取り上げます.音楽CDで使われている方式や固定電話で使われている方式,パソコンのWAVEファイルで使われている方式について具体的に説明します.規格に従って処理を行おうとするとやや複雑な数式を扱う必要がでてきますが,原理そのものは比較的シンプルです.(編集部) ※ 本記事は,ディジタル・デザイン・テクノロジ No.6から転載いたしました.同誌はこちらから購入できます. 携帯電話や小型の音楽プレーヤの普及により,複数の音声を同時かつ高速に伝送したり,小型機器に大量の音楽を保存する要求が高まっています.そのためには,音声や音楽をできるだけ小さいデータ容量で表現する必要があります.このような目的を達成するための技術を音声圧縮と呼びます.現在,表1に示すような音声圧縮技術が用いられています. 表1 音声圧縮技術の分類 本稿では,音楽CDや