逆元 (ぎゃくげん、英: inverse element)とは、数学(とくに抽象代数学)において、数の加法に対する反数や乗法に関する逆数の概念の一般化で、直観的には与えられた元に結合してその効果を「打ち消す」効果を持つ元のことである。逆元のきちんとした定義は、考える代数的構造によって少し異なるものがいくつか存在するが、群を考える上ではそれらの定義する概念は同じものになる。 集合 M は二項演算 • をもつ代数系すなわちマグマで、 e は (M, •) の単位元とする。すなわち (M, •, e) は単位的マグマであるとする。M の元 a, b に対して a • b = e となるとき、a を演算 • と単位元 e に関する b の左逆元 (left inverse), b を演算 • 単位元 e に関する a の右逆元 (right inverse) という。またこのとき、b は左可逆、a