ロスジェネの所得中央値が低いのは、非正規雇用の比率が高いためだろう metamorworks/iStock. <大学新卒時と就職氷河期が重なったロスジェネ世代では、40代になった現在も多くの人の雇用が不安定なまま> 2019年、令和元年も間もなく終わる。今年の明るいニュースは、ロスジェネを対象にした支援が本格的に始まったことだ。ロスジェネ(失われた世代)とは、学校卒業時が就職氷河期と重なった世代を指す。新卒一括採用の慣行が根強い日本では、後から挽回を図るのが難しく、現在に至るまで雇用が不安定なままの人が数多くいる。 ロスジェネも40代になり、この世代が老後を迎える将来を想定して、政府は危機感を強めている。学校を卒業した時期でここまでの割を食うのは不公平だと、正社員の中途採用の促進など国としても本格的な支援に乗り出すことになった。当該世代に対象を限定した採用試験を行う自治体もあり、口火を切っ