東電原発事故、トリチウム処理水、新型コロナウイルス、HPVワクチン……事実に基づかない「不安と怒り」が社会を扇動する。 恐ろしいのは危機の本体だけではない。不安と怒りを煽る「情報」が巻き起こす「情報災害」、そしてそれを広げていく「風評加害」だ。 「3.11後の福島」で被災と「風評」の地獄を見た福島在住ジャーナリストが生々しい実体験と共にこの国に蔓延する「正しさ」の嘘を斬る初の著書『「正しさ」の商人 情報災害を広める風評加害者は誰か』(徳間書店)より、導入部分を抜粋してお届けするーー。 それは本当に「正しい」ことだったのか 〈 編集で取材内容とはかなり異なった報道をされてしまい、放送を見て正直愕然としました 〉 〈 映像が編集され真逆の意見として見えるように放送されてしまいとても悲しくなりました 〉 〈 現場の生の声として、物資の手配と医療従事者への金銭面や精神面での補助に関しても強調してコ