数学の超難問とされてきたABC予想を証明した望月新一京都大教授の論文の正しさが、権威ある専門誌に認められた。証明の前提となった「宇宙際タイヒミューラー理論」は極めて難解だが、長期的には社会を変える大きな可能性を秘めている。望月氏と親交が深く、新理論に関する著作もある東京工業大の加藤文元(ふみはる)教授(数論幾何)に論文掲載の意義を聞いた。(科学部 小野晋史) --今回の決定をどう見る 「率直に言ってよかったと思う。とても長い論文で内容が難解かつ斬新だったこともあり、ここまでに長い時間がかかったが、掲載決定は一つの到達点だと思う。(掲載される専門誌の)『PRIMS(プリムス)』は世界的に見ても非常に信頼性が高く、一定のお墨付きであることは間違いない。私自身は望月さんの理論が正しいものだと思っていたので、この日が必ず来ると考えていた」 --ABC予想はなぜ、重要な未解決問題とされてきたのか 「