内閣府が2019年5月20日に発表したGDP速報値は、物価の影響を除いた実質でプラス0.5%だった。年率換算するとプラス2.1%になるので、ここ最近としてはかなり良い数字といってよい。だが多くの識者が指摘しているように、数字の中身を詳細に検証するとあまり良い状況ではなく、これまでと同様、景気が回復しているとは言えないというのが現実である。 今回、GDPの数字が大きく上昇したのは、輸入が減ったことが最大の要因だが、この話にピンとこなかった人も多いだろう。輸入が減るとなぜGDPが増えるのかについて理解するためには、GDPの定義について知る必要がある。 GDPは通常、「1年間に国内で生産された財とサービスの付加価値を合計したもの」と説明される。だが、この定義はGDPの生産面に着目したものである。GDPには三面等価の原則があり、生産面に加え、支出面、分配面という3つの側面がある。私たちが通常、ニュ
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