以前バーチャルリアリティ(VR)について紹介した。日本語に訳すと「仮想現実感」である。これに対し最近AR(Augmented Reality)という言葉を聞くようになってきた。これは「拡張現実感」と訳されている。何が違うのだろうか。 VRはコンピュータグラフィックス等によって仮想の映像世界を作り出し、見えないものを見えるようにしたり、現実では体験できない世界に入り込むことができるようにする技術である。ところがARはこれを文字通り“拡張”して、現実の世界の中にVRの仮想世界を重ね合わせる技術なのである。 例えば、カーナビで画面上ではなく実際の道路上に方向案内が示されたり、博物館の展示物の表面や周囲に説明文や資料映像が映し出されたり、また本人の体の表面にその内部のレントゲン映像が映し出されたりする。AR技術を使った特殊ミラーのある試着室では、着替えなくてもフィッティングやコーディネートができ、